『世界ジオパーク』を知っていますか?
世界ジオパークとは、価値のある地質遺産を保護し、自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することを目的として、ユネスコによって指定される自然公園です。
景観と学ぶことができる観光地としてもとても魅力的なんですよ!
北海道にあるUNESCO世界ジオパーク「アポイ岳」まとめてみました!
アポイ岳ジオパークとは?その見どころを解説!?
『アポイ岳ジオパーク』は、北海道日高山脈の南部に位置する様似町の全域の364.3km2がそのエリアになっている、2015年に認定されたユネスコ世界ジオパークです。
そのエリアの一部は、日高山脈襟裳国定公園に含まれ、近く国立公園化も期待され、これが実現すると日本で最大規模の国立公園となります。
<アポイ岳ジオパークの概要>
- テーマ:地球深部からの贈りものがつなぐ大地と自然と人々の物語
- 沿革:2008年12月 日本ジオパーク認定、2015年9月 ユネスコ世界ジオパーク加盟認定
- 地域:様似町
壮大な地球の営みを知るアポイ岳ジオパーク
アポイ岳ジオパークのテーマは「地球深部からの贈りものがつなぐ大地と自然と人々の物語」。
この地で南北およそ150kmにわたって1,500~2,000m級の山々が連なる日高山脈は、およそ1,300万年前にユーラシアプレートに衝突した北米プレートがめくり上がることで形成されました。
めくれ上がった北米プレートはマントルの一部までをも地表に押し上げ、このマントルを構成する岩石のひとつである“かんらん岩“が大規模に露出しているのが、アポイ岳です。
地球深部にあり人類が未だ到達することができないマントルの地質を地上にいながら見ることができるアポイ岳は、世界的にも大変貴重な学術標本として知られています。
奇岩類が織りなす風光明媚な海岸線
アポイ岳ジオパークがある様似町は、太平洋に面したまち。
風光明媚な景色が広がる海岸線には、親子のように大小3つの岩が仲良く海に並ぶ「親子岩」や「ソビラ岩」など、自然と共生してきたアイヌの人々の伝説が残されている奇岩をみることができます。
また、その直線上の先にある「エンルム岬」では、季節によって様似町の特産品の日高昆布が天日干しされる様子も見ることができます。
固有種にあふれる花の名山・アポイ岳
標高810mのアポイ岳は、低標高ながら本州の3,000m級の山に匹敵するほど高山植物に彩られる花の百名山のひとつにも数えられています。
これは、アポイ岳が海に近く夏でも冷涼であること、雪が少なく冬でも地面が吹きさらしになること、そして“かんらん岩”という植物にとって厳しい土壌であるため。
ヒダカソウやアポイアザミ、サマニオトギリなどの固有種も集中している宝庫で、アポイ岳の高山植物群落は国の特別天然記念物にも指定されています。
「アポイ岳ジオパーク」への行き方は?
アポイ岳ジオパークがあるのは、北海道南部の日高地方東部の様似町。鉄路はありませんので、車・レンタカーの利用がおすすめです!
ジオパークの散策の拠点となる「アポイ岳ジオパークビジターセンター」へのアクセスは、以下の通りです。
- [車]札幌中心部から、道央自動車道で苫小牧方面へ、苫小牧東ICから日高自動車道に入り終点の日高厚賀IC経由で、195km, 約3時間
- [車]新千歳空港から、苫東中央ICから日高自動車道に入り終点の日高厚賀IC経由で、149km, 約2時間
- 営業時間 :
9:00 - 17:00
※開館期間は4〜11月 - 住所 : 様似町字平宇479-13
- TEL : 0146-36-3601
入館料:無料
北海道にあるもう1つの世界ジオパークと6つの日本ジオパーク
北海道には、今回ご紹介した様似町の『アポイ岳ジオパーク』のほかにも『洞爺湖有珠山ジオパーク』がユネスコ世界ジオパークに認定されています。さらに、北海道にはその2ヶ所を含む計6ヶ所が日本ジオパークとして認定されています。
- 洞爺湖有珠山ジオパーク※(伊達市・豊浦町・壮瞥町・洞爺湖町)
- アポイ岳ジオパーク※(様似町)
- 白滝ジオパーク(遠軽町)
- 三笠ジオパーク(三笠市)
- とかち鹿追ジオパーク(鹿追町)
- 十勝岳ジオパーク(美瑛町・上富良野町)
※はユネスコ世界ジオパーク加盟認定
日本ジオパークとは、日本ジオパーク委員会(JGC)の認定を受けた国内版のジオパークで、ユネスコ世界ジオパークに認定されているジオパークも含まれます。
いずれのジオパークも、地球規模の価値のある地質遺産を学びながら観光を楽しめますのでおすすめですよ!