北海道にはたくさんの湖があり、絶景が楽しめる人気観光スポットになっている場所も多いですね!

でも、名称が似すぎていて紛らわしい湖もあって、それが「屈斜路(クッシャロ)湖」と「クッチャロ湖」です。

それぞれの岬の場所や特徴と観光情報、そして名称の由来についてまとめてみました!

北海道にある、紛らわしい2つの湖の名称とその由来とは?

どっちがどっち?屈斜路湖とクッチャロ岬についてまとめ

道東の弟子屈町にある『屈斜路湖(クッシャロ湖)』と道北の浜頓別町にある『クッチャロ湖』は、あまりにも名前が似ていて紛らわしいですよね!

北海道民でさえ、「あれ、どっちがどっちだった?!」と分からなくなってしまうほど。

それぞれの地名は、北海道の多くの地名がそうであるように、どちらもアイヌ語が由来となっているんですよ。

① 屈斜路湖
■美幌峠の展望台から望む「屈斜路湖」

『屈斜路(クッシャロ)湖』は、道東の町・弟子屈町にある日本最大のカルデラ湖です。

カルデラ湖とは、火山活動によってできた凹地に水がたまってできた湖沼のこと。美幌峠にある道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」にある展望台から望むと、湖の周りを取り囲む外輪山の様子がよくわかりますね!

■人気スポットの「砂湯(すなゆ)」はその名の通り砂浜を掘るとどこからでも温泉が湧いてきます!

一帯は阿寒湖や摩周湖とともに「阿寒摩周国立公園」に指定され、原始的な姿を留めている針葉樹の自然林は北海道らしい雄大な自然を感じることができます。

道道52号沿いの湖畔には、砂浜を掘ると温泉が湧いてくる“砂湯”と呼ばれる場所があり、隣接するレストハウスやキャンプ場とともに多くの観光客で賑わう人気スポットです。

北海道川上郡弟子屈町美留和 屈斜路湖 砂湯
  1. 営業時間 : 24時間
  2. 住所 : 北海道川上郡弟子屈町美留和 屈斜路湖 砂湯
  3. 駐車場:あり(無料)
② クッチャロ湖
■日本最北のラムサール条約登録湿地「クッチャロ湖」

『クッチャロ湖』は、日本最北のラムサール条約登録湿地として知られる湖で、道北の町・浜頓別町にあります。

北西側の“小沼”と南東側の“大沼”の2つからなっていて、元は海湾であった場所が沿岸流によって運ばれた砂礫が砂州を形成してできた海跡湖です。また、下流部からは海水が流入する汽水湖でもあります。

■コハクチョウやカモたちの経由地としても有名!

越冬のため日本に飛来する水鳥たちの経由地として知られ、毎年、南下する11月中旬頃や繁殖地のシベリアへ戻る4月中旬頃にはたくさんのコハクチョウやカモたちがやってきて、羽を休める愛くるしい姿を観察することができますよ!

北海道枝幸郡浜頓別町クッチャロ湖畔
  1. 営業時間 : 24時間
  2. 住所 : 北海道枝幸郡浜頓別町クッチャロ湖畔
  3. 駐車場:あり(無料)

どうして名前が似ているの?その由来とは

■「屈斜路湖』と「クッチャロ湖」の名称は共通のアイヌ語が語源

『屈斜路(クッシャロ)湖』と『クッチャロ湖』は、どうしてこれほど名称が似ているのでしょうか?

それは、どちらも「kutcaro / kut-char(クッチャロ)」という「咽喉・のど口」を意味するアイヌ語から由来しているため。“のど口=沼の水が流れ出る口”と解釈され、湖口にあったアイヌの集落(コタン)のことを指しているとされています。

「クッチャロ」はその後、転訛して「クシュリ」となり、これは道東で最大の都市「釧路(くしろ)市」の語源にもなっています。

ちなみに、胆振地方の白老町には『倶多楽湖(クッタラ湖)』という似た名称の湖もありますが、こちらはまた別のアイヌ語の「クッタルシ=イタドリの多いところ」が語源になっています。

北海道では、その土地の地形やアイヌの集落の名前がそのまま地名として残っている場所が多くあって、他にも似ている地名や全く同じ読み方をする地名が北海道にはたくさんあるんですよ!

なぜ難読が多い?北海道の地名から見えるアイヌ文化

「納沙布(ノサップ)岬」と「ノシャップ岬」の名前が紛らわしすぎる2つの岬
■日本本土最東端の納沙布(ノサップ)岬

北海道には、「納沙布(ノサップ)岬」と「ノシャップ岬」という名前が紛らわしい2つの岬も存在ます。

納沙布岬は根室市にあって、日本の本土最東端として知られる岬。一方のノシャップ岬は稚内にある岬です。

どちらも「崎の際・側」を意味するアイヌ語の「ノッサ・ノッシャム(not-sam)」が語源となっているんですよ!

ノシャップ岬とノサップ岬の名前がまぎらわしすぎる件

同じ読み方で複数ある「えさし」と「もんべつ」
■道南・江差町にある「いにしえ街道」

北海道には、「えさし」と「もんべつ」といった同じ読み方をして紛らわしい地名もあります。

『えさし』は道北にある「枝幸」と道南にある「江差」の2ヶ所があって、どちらも海沿いにある町という共通点があり、『エサウシイ(e-sa-us-i)』という「頭が・浜・についている・所」を意味するアイヌ語が由来となっています。

北海道には「えさし」という町が2ヶ所ある?!北の枝幸と南の江差、なぜ同じ地名なの?

■流氷観光船で有名なオホーツクにある紋別

また、「もんべつ」という読み方をする地名は北海道に3か所もあって、オホーツクにある「紋別」と日高にある「門別」、そして胆振にある伊達市にも「伊達紋別」という地名が残っています。

「もんべつ」というのは『モ・ペッ(mo-pet)』という「静かな・川」を意味するアイヌ語が由来となっている考えられています。

北海道には「もんべつ」という地名が3ヶ所もある?!その語源・由来とは?

このように北海道には、その土地の地形などの特徴を表したアイヌ語が由来となっている地名が多く、そのため全く同じ読み方だったり似た名前になってしまった地名や岬、湖などがたくさんあるんですよ。