北海道で“区がある市”は『札幌市』だけ。ーーなんて思っていませんか?!

実は、“区がある市”は札幌市以外にも2つの市があって、さらに“区がある町”も2つの町が存在するということを知っていましたか?

札幌だけじゃない!?「区がある市」と「区がある町」はどこ?

10の区がある政令指定都市の『札幌』

■北の200万都市・札幌は10の区がある政令指定都市

北海道で“区がある市”といえば、真っ先に思い浮かぶのは『札幌市』ですね!

北海道の政治・経済の中心である札幌市は、全国に20市ある政令指定都市のひとつです。

札幌市には10の区が設置されていて、その拠点である区役所では戸籍などの窓口業務はもちろん、地域住民との町づくりや、土木、保健など私たちの生活に密着したサービスを提供してくれています。

政令指定都市では市民生活にとって必要な行政サービスを市から分担し提供する区分けを条例によって設けることができ、このような区のことを「行政区」といいます。

『石狩市』と『伊達市』にも区がある!

北海道には、政令指定都市である札幌市以外でも、区がある市があります。

それは、『石狩市』と『伊達市』です!

この2市は、いずれも「平成の大合併」で周辺の村を編入合併した市で、以下のように旧村域をそのまま区域とした区を設置しています。

  • 石狩市:厚田区(旧厚田村)・浜益区(旧浜益村)
  • 伊達市:大滝区(旧大滝村)

合併を機に消滅してしまう旧町村の住民へ感情面での配慮や、住民が地域自治にこれまで通り参加できるようにするため、旧町村を区域とした「地域自治区」あるいは「合併特例区」が設置されることは多く、石狩市と伊達市もこれにより区が設置されている市となっています。

① 石狩市
■石狩市厚田区(旧厚田村)の海岸線と風力発電

石狩湾に面し港湾と工業団地が形成される『石狩市』は、近年では札幌のベッドタウンとして宅地化が進み発展してきた町です。

2005年に、隣接する厚田村と浜益村が石狩市に編入する形で合併し、現在の石狩市となりました。

旧厚田村の厚田郡と旧浜益村の浜益郡という郡もこの合併と同時に消滅しました。

合併後は、旧厚田村・旧浜益村の区域に地域自治区が設置され、それぞれ厚田区・浜益区となり、住所表記でもこの区名が表記され、たとえば「厚田郡厚田村大字〇〇△△番地」は「厚田区〇〇△△番地」のようになっています。

② 伊達市
■伊達市大滝区(旧大滝村)の北湯沢温泉を流れる長流川

北に有珠山や昭和新山の活火山、南に噴火湾(内浦湾)と面する『伊達市』は、その恵まれた自然環境によって農業・水産業や観光業が盛んな町です。

伊達市は当初、壮瞥町と大滝村との合併を協議していましたが、伊達市と隣接する壮瞥町が合併協議会を離脱したことで、大滝村は飛び地になる形で伊達市との編入合併になりました。

旧大滝村は、その村域をそのまま区域とする地域自治区の大滝区となり、住所表記もこの区名が用いられています。

「区がある町」もある?!

■せたな町大成区(旧大成町)のシンボル・親子熊岩

合併によって、北海道では“区がある市”だけでなく、“区がある町”も誕生しました。

それが、『せたな町』と『むかわ町』の2町で、以下のように区が設置されています。

  • せたな町:瀬棚区・北檜山区・大成区
  • むかわ町:鵡川地域自治区・穂別地域自治区

『せたな町』は、2005年に大成町・瀬棚町・北檜山町が合併して誕生した町で、それぞれの旧町域を区域とする「合併特例区」が設置され、その後「地域自治区」へ移行し、住所表記にも各区の名称が使われていています。

一方の『むかわ町』は、2006年に鵡川町・穂別町が合併して誕生した町で、住所表記には区名は使われていませんが、地域住民が行政と連携して町づくりを行っていくための「地域自治区」が設置されています。