全国的な社会問題にもなっているあおり運転。

「自分があおり運転に遭ったら…」なんて考えたことはありませんか?元々スピード違反が多いように、道内のドライバーはスピードを出しすぎる傾向があるようです。つまり、誰でもあおり運転の被害者になることが考えられるのです。

ここでは、あおり運転に遭わないためにはどういう心掛けが必要か、またあおり運転をされたときはどうするべきか、をご紹介します。

あおり運転に遭わないために心掛けること

テレビで報道されて大きな話題となったあおり運転。

道内でも車を停止させた後に工具を持って襲いかかった事案がこの夏に発生。全国からも注目が集まりましたね。

北海道警察交通部交通指導課によると、自動車運転から暴行、そして逮捕に発展したケースは平成30年の1年間で6件!あまり表には出てきませんが、逮捕に至る件数が6件もあったことは驚きですね。

あおり運転の理由は「怒り」からきていることがほとんどです。もちろん、加害者の勘違いや過剰な被害者意識などによるものもありますが、きっかけとなる事象があるのも事実です。まずはここに注目して、どうしたらあおり運転に遭わないのか、見ていきましょう。

無理な割り込みや急な車線変更はあおり運転の起因に

後続車があおり運転に発展する理由のひとつは、ドライバー自身が危険を感じたことで怒りの感情がこみ上げてきたからです。

その原因として考えられるのが、車の前に無理に入り込まれたということ。

こちらとしては「そんなに危なくない」と思って車線変更をしたり、車列の中に入ったとしても、後続車にしてみると「危なかった」ということは意外と多いものです。できるだけ、後続車との距離にゆとりを持って行うようにしましょう。
急いでいる車には「お先にどうぞ」の精神で

運転中にイライラする原因のひとつに、自分が急ぎたいのに、なかなかその通りにならないことです。もちろんこちらが法定速度を守っていたとしても、急いでいる後続車にしてみると、「制限速度までまだ出せるだろ」と遅い車に対してイライラをつのらせてしまうこともあります。ときには「わざとやっているな」と思われてしまうこともあるかも知れませんね。

もし車間距離を詰めてきたら、それは速くしてほしいとのサインです。そういう車には道を譲るのが最善策です。後続車にしてみるとイライラをぶつける相手がいなくなりますので、あおり運転をする必要もなくなりますね。

ただし道路事情によっては道を譲りたくてもそうはいかないケースもあります。その場合は自分の運転に集中し、タイミングを見て追い越してもらうようにしましょう。

不用意なクラクションは危険。必要最低限に

相手に非があり、それを知らせるために行うクラクションやパッシングですが、この行為に怒りを覚える人もいます。図星のことを言われたら逆ギレをする人がいますよね。それと同じです。「それはいけないこと」と指摘すると反対に怒りが増してしまうのです。

もちろんこちらの危険を知らせることは必要ですが、ちょっとしたことでクラクションやパッシングをしたために、相手の怒りを買うこともあります。ですから、クラクションやパッシングを行うの必要最低限にしましょう。

ゴミ捨ては厳禁。マナーを守ることで自分の身も守る

マナーやルールの観点から、車からゴミを捨てるという人はそれほど多くはありません。ただ実際には道路端にゴミが落ちているので、「ちょっとくらい大丈夫」と思っている人もいるのでしょう。

車からゴミを捨てた場合、後続車の運転に影響があることもあります。後続車にしてみれば、危険な目に遭ったので「文句を言ってやろう」という気持ちになるかも知れません。こうした怒りがつのって報復行為に移行するケースもあるのです。

またゴミを捨てた行為に対して「注意をしなくては」という正義感の強い人もいます。その正義感から対象の車を追いかける人がいてもおかしくありません。

どちらにしても車からゴミを捨てる行為は明らかなマナー違反です。「あおられても仕方がない」という訳ではありませんが、「身から出たサビ」という話にもなりかねません。しっかりとマナーを厳守することが、自分の身を守るということも覚えておきましょう。

ドライブレコーダーを設置すれば抑止力にも

あおり運転は泣き寝入りの多い事案でもあります。「警察に相手にされるか分からない」「被害がないから」ということで、そのままにしている人も多いのです。

もちろんニュースなどでも明らかなように、ドライブレコーダーによって録画された動画は立派な証拠になりますし、それがもとで逮捕につながるケースもあります。しかし、ドライブレコーダーをおすすめするのは、逮捕につながるからという理由だけではありません。あおり運転の抑止力にもなるからです。いわゆる防犯カメラの役目を果たしますので、相手がエスカレートしないことも期待できます。

もちろんそれほど安いものではありません。どうしても手が出ないという場合は、「ドライブレコーダーをつけています」というステッカーだけでも貼っておきましょう。ちょっとした秘策になりますが、これだけでも抑止力になってくれるはずです。

「赤ちゃんが乗っています」などのステッカーも効果的

先ほどの「ドライブレコーダーをつけています」のステッカーと同様ですが、「赤ちゃんが乗っています」や「子どもが乗っています」というステッカーも、あおり運転がエスカレートしない効果が期待できます。

「子どもが乗っているのなら、危ない目に遭わせるのは」と冷静になることもあるからです。また後続車に家族が同乗しているケースでは、家族が引き止めてくれるかも知れませんよね。

ただし、こうしたステッカーを貼っておけば何をしてもいいというワケではありませんよ。「赤ちゃんが乗っています」ステッカーは「ゆっくり走ります」「危険な運転はしません」と周囲の車にお知らせしていることと同じです。ですから、自らも周囲に対して優しい運転をするように心掛けましょう。

あおり運転を受けてしまったら冷静な対処を

一時避難がベスト。パーキングエリアか別の道へ

こちらが悪いわけではないのにあおり運転を受けた場合、危険な運転に対して文句も言いたくなりますが、事態を大きくさせないためには一時避難が無難です。そのため高速道路であればパーキングエリア、一般道なら違う道に入るようにしましょう。路肩に停めて後続者が行きすぎるのを待つのもいいでしょう。

反対に危険なのは急ブレーキです。「仕返しをされた」と相手の怒りが増幅し、逆効果になるだけです。また正当な理由がない場合の急ブレーキは、事故にならなかったとしても道路交通法違反となります。刑事と行政において責任を受けることになりますので、絶対に止めましょう。

降りてきた場合はドアロックをして窓は絶対に開けないこと

後続車が行きすぎるのを待つために一時停止をしていたときに、相手も車を停めてこちらに近づいてくる場合があります。このときはより危険度が増しますので、絶対に反論をするのは止めましょう。

ドアをロックし、窓も絶対に開けないのが鉄則です。しばらく経っても怒鳴りや威嚇が終わらない場合は、警察に電話をするようにしましょう。電話をするような仕草だけでも、相手は「警察だ」と感じて冷静になるケースもあります。

暴力的になったら危険。今後のために動画を撮りましょう

相手の怒りが収まらず、車を叩いたり、蹴ったりする場合は、動画を撮影しましょう。あおり運転は泣き寝入りすることも多いですが、しっかりと証拠を残しておけば後で賠償金の請求もできます。もちろんその動画によって、相手が逮捕に至るケースもあります。

またドライブレコーダーで撮っている場合でも、カメラを向けて撮影する仕草は相手にとって抑止力となります。怒りに対して怒りをぶつけるのではなく、こうして冷静になって対処することで、あおり運転に遭っても被害を受けることはないはずです。心得ておきましょう。

まとめ

北海道の道は広く、しかも直線が多いため、車はスピードを出しがちです。これは北海道民にも観光客にも言えるようです。

自分に非がなくても遭うことのあるあおり運転ですが、まずはこちらがゆとりを持つこと。北海道民の気質と言われる〝大きな心〟〝広い心〟で運転をするようにすれば、あおり運転は道内からなくなるかも知れませんね!