無人島って聞くと、なんだかワクワクしますよね!
日本には6,415もの無人島があると言われていますが、日本最大の無人島は北海道にある、ということは意外と知られていません。
日本海に浮かぶ火山島・渡島大島についてまとめてみました!
日本でいちばん大きな無人島の「渡島大島」とは?
渡島半島の西方沖、日本海に浮かぶ渡島大島
渡島大島(おしまおおしま)は、北海道・渡島半島の西海岸から約50kmの沖合、奥尻島からは南に約60kmにある、松前町に属する島。
正式名称は「大島」ですが、全国にある同名の島と区別するため「渡島大島」や「松前大島」と呼ばれています。
周囲が断崖で囲まれた火山島で、気象庁の活動度による分類ではランクBに指定されている活火山です。
大型の海鳥であるオオミズナギドリの北限の繁殖地として、島全域が国の天然記念物に指定されている他、松前矢越道立自然公園の一部にもなっています。
面積9.73km2、日本で最大の無人島!
渡島大島は、日本で最大の無人島です。
日本でいちばん大きな無人島が北海道にあるなんて、知らなかった!ーーという方も多いのでは?!
その面積は9.73km2あり、他の島々と比較すると、同じ北海道にある観光で人気の天売島(5.47km2)や焼尻島(5.19km2)よりも倍近くあるので、いかに大きな島であるかがわかりますね。
渡島大島の火山活動について
断崖で囲まれ平地がほとんどない、火山島の渡島大島。
島の斜面はそのまま滑り込むように海中に沈み込み、海底からの比高は約2,300m。海面から出ているのはその1/3ほどで、最も標高が高い地点は737mの江良岳の山頂です。
1741年に大噴火を起こし、それに伴う山体崩壊で発生した大津波は、松前や江差など現在の檜山地方の各地に大きな被害を及ぼし、1,400人を超える死者があったと言われています。
この津波は青森、新潟・佐渡島、福井、島根まで達し「寛保津波」として知られています。
渡り鳥の繁殖地、豊かな漁場を持つ渡島大島
渡島大島は海鳥のオオミズナギドリの北限の繁殖地として国の天然記念物に指定されています。
また周辺の海は、クロマグロ(本マグロ)やサクラマス、サバ、マダラ、スケトウダラ、スルメイカ、ホッケ、メバルなどが獲れる豊かな漁場としても知られています。
「オオミズナギドリ」の繁殖地
オオミズナギドリは、夏季に日本の近海の離島で繁殖し、冬季に南下し越冬する渡り鳥です。
全長約50cm、羽を広げると1.2m位になる大型の海鳥で、集団営巣地が限られ準絶滅危惧種に指定されています。
北限の繁殖地である渡島大島をはじめ、三貫島(岩手県)、御蔵島(東京都)、冠島(京都府)、西之島の星神島(島根県)、仲神島(沖縄県)の繁殖地が、いずれも国の天然記念物に指定されています。
松前秋の味覚「本マグロ」の好漁場
本マグロといえば青森県・大間が有名ですが、松前の本マグロはそれにも引けを取らないほど美味とされています。
松前町で毎年9月に開催される「松前城下マグロまつり」では、本マグロの解体ショーや即売会が行われます。
会場ではマグロ料理などの露店も立ち並び、極上の本マグロを味わうことができますよ!
渡島大島に行くには?
渡島大島には港が整備されていますが、あくまでも周辺漁業の避難港。定期船などはありません。
島は国の天然記念物に指定されていて自然環境保全のため、上陸には文化庁などの許可が必要で、残念ながら一般人が観光目的で行ける場所ではありません。
渡島大島は、天気の良い日は松前町営牧場の展望台から見ることができたり、小樽-新潟間のフェリーの船上からは夕日に染まる姿を見ることができるそうですよ!