札幌市の中心部にありながら、豊かな緑に溢れる北海道大学。

その広大な敷地は東京ドーム38個分にもなるとか。

大学の前身となったのは、北海道の開拓、発展に寄与する多くの人材を輩出した、札幌農学校。

構内には学生の姿はもちろん、お散歩中の近隣住民や、国内外からの観光客の姿も多く見かけます。

北海道の魅力と歴史・文化がギッシリ、観光におすすめの北海道大学に行ってみた!

札幌観光の穴場スポット!北海道大学とは?

北海道大学は、札幌の中心部にある国立総合大学。

その前身は、クラーク博士が初代校長を務めた札幌農学校です。札幌農学校は、北海道開拓の人材育成を目的に作られた教育機関で、日本で初めて学士号の授与権を持つ近代大学でした。

多くの優秀な人材を輩出し、北海道の近代農業・畜産の礎ともなった北海道大学には、北海道の魅力と歴史、文化がぎっしり凝縮された、観光にもおすすめのスポットなんです。

行ってみた!北大キャンパスめぐり

北海道大学のスポットめぐり、ルートと所要時間は?


とにかく敷地が広い、北海道大学。その敷地面積は東京ドーム38個分にもなるとか。

JR線2駅、地下鉄3駅にまたがるキャンパスは、構内の目的地によっても最寄り駅が異なります。広大な敷地に点在する見所は、効率的に廻らないと移動距離も長くなってしまって大変。

今回ご紹介するルートは正門から時計回りに、主要な見所を廻っていきます。移動距離は約2.0km、ゆっくり見て歩いても2時間ほどで廻ることができるはずですよ!

北海道大学に入ってみよう!

スタート – A.「正門」


JR札幌駅、地下鉄札幌駅から徒歩7分、南東にあるのが北海道大学・正門です。

観光の際には、正門から入ると主要な見所を効率的に回ることができますよ。

〜30m – B.インフォメーションセンター「エルムの森」


正門を入ってすぐ左手にインフォメーションセンター「エルムの森」があります。ここで大学構内の地図を貰って、さっそく散策を楽しみましょう!

〜180m – C.「サクシュコトニ川」


正門から西に進むと、正面に2手に分かれ道があります。右側に進むと「サクシュコトニ川」という小川を渡る、小さな橋があります。

札幌は市内を流れる豊平川の扇状地に拓けた街です。扇端にあたるこの辺りは、かつて地下水が豊富だった時代、多くの湧き水が出て小川を作っていました。サクシュコトニ川もその一つ。都市化が進んだ現在は地下水も枯れ、今の姿は、2004年に浄水過程で発生した放流水を流し復元されたものです。

周辺の緑地は、レジャーシートを敷いて休日を楽しむ市民や観光客の姿も多いエリアですね。

〜150m – D.有形文化財「古河講堂」


さらに進むと、右手に見えてくるのが「古河講堂」です。

正式名称は、古河記念講堂、日本の有形文化財です。現在は文学研究科の校舎になっているので、観光客の立ち入りはできません。

1909年(明治9年)、当時の古河財閥の寄付により建てられた林学教室です。歴史を感じさせる白いフランス・ルネサンス風の美しいこの建物は、緑溢れるキャンパスに馴染みながらも、ひと際目を惹きます。

〜30m – E.北大にもある!「クラーク博士像」


さぁ、もう少し進むと左手に見えるのが、「ウィリアム.S.クラーク胸像」です。

1876(明治9)年、北海道開拓の人材育成を目的に開かれた札幌農学校。

初代校長となったのがウィリアム・スミス・クラークです。クラーク博士として親しまれています。

別れの際に学生たちに伝えられた「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」の言葉は有名ですね。

現在では、観光名所としても知られる「羊ケ丘展望台」にあるクラーク像の方が有名ですが、かつてはクラーク像といえば、北大構内のこの胸像のことを云われていました。

〜40m – F.有形文化財「旧札幌農学校校舎」と「旧札幌農学校図書館」


さらに西へ進むと、左手に見える緑色の屋根の木造平屋の建物が、旧札幌農学校校舎(旧昆虫学及養蚕学教室)です。そして並び奥に見えるのが、旧札幌農学部図書館ですね。

この2つの建造物は、ともに有形文化財に指定されています。

〜200m – G.「北海道大学総合博物館」


クラーク像あったところまで戻り、北に向かう道へ入ります。この道が北大のメインストリート。

少し北に進んでいくと、左手にタイル貼りの重量感ある建物が見えます。昭和初期に建てられた本格鉄筋コンクリート造の総合博物館です。この建物は1999年まで、理学部の校舎として使われていたものです。

ここには、北海道大学の歴史とこれまでの研究成果や学術標本が展示されています。入館は無料なので、もし時間に余裕があれば、館内も観てみるのもいいですね。

〜380m – H.札幌農学校2期生「新渡戸稲造像」と北大のNo.1人気スポット「ポプラ並木」


博物館沿いの東西方向の道に出てみます。

この「新渡戸通り」を西へ突き当たりまで進むと、左手にあるのが、「新渡戸稲造博士顕彰碑」です。

五千円札の肖像として有名な新渡戸稲造は、2期生として札幌農学校で学びました。このブロンズ製の胸像は北海道大学が農学校から数えて120年を記念し建てられたものです。


そのすぐ近くに、ポプラ並木があります。

北海道・札幌を象徴する風景として有名な北大のポプラ並木ですね。

2004年の台風18号では約50本のポプラのうち、4割にあたる約20本が倒壊しました。修復は現在でも続き、抜けた箇所には若木が育っています。

〜380m – I.「人工雪誕生の地記念碑」と「大野池」


ポプラ並木を背に新渡戸通りを東へ戻ります。先ほどの博物館で左へ曲がり北へ。

すぐ左手にあるのは「人工雪誕生の地記念碑」です。

北大がまだ北海道帝国大学と呼ばれていた1936年、理学部教授の中谷宇吉郎が世界で初めて、この地で人工雪の製作に成功しました。

もう少し先では、再びサクシュコトニ川が姿を現し、左手の大野池に川水が注がれています。

〜130m – J. 人気ビュースポット、全長380mの「イチョウ並木」


大野池を越えると、右手にイチョウ並木が見えます。

約380mの通りには両側に70本ものイチョウが植えられています。ポプラ並木とともに、北大の人気スポットです。

秋には見事な紅葉が見られるほか、北大金葉祭(こんようさい)では夜間ライトアップされた、幻想的な光景を見ることもできます。

北13条門でゴール!

イチョウ並木を東に進むと、北13条門があります。

門を出て、さらに1本通りをこえれば、地下鉄南北線の北12条駅があります。札幌駅までは1駅です。

ここまで、約2.2kmの道のり。ゆっくり歩いても2時間あれば十分ですね。途中寄り道したり、博物館を見学する際にはプラス1時間位を考えておくのが良さそうです。

このルートなら、最短で主要な見どころを網羅することができたはずですよ!

もっとディープに!?続・北大キャンパスめぐり

ここまで、北大キャンパス内の観光スポット、名所を巡ってきました。

構内の有名なスポットは、これだけでもほぼ網羅できるのですが…実は、まだ広い北大構内の1/3にすぎません。

さらにディープなスポット、ここまで見る観光客は少ないかも?!なおすすめスポット、絶景ビューポイントもあるので、ご紹介します!!

もうひとつのポプラ並木 = 平成ポプラ並木


実は、北大構内にはもうひとつのポプラ並木が存在します。それが、平成ポプラ並木です。

キャンパスの西端、第一農場の北にあるポプラ並木で、2000年、北大創基125周年記念事業として植樹された新しいポプラ並木です。若木は旧ポプラを挿し木によって増やしたクローンで、本家とも遜色のない風情ある景観です。

絶景ビューポイント!第一農場と札幌都心の高層ビル


この農場は北大農学部、農学院、農学研究院に隣接し、農学分野に関わる教育研究がされています。

放牧される牛や羊たちの姿は、まるで十勝の牧草地帯のよう。しかし、その背景には札幌駅周辺の高層ビルが並びます。

この奇妙なコントラスト、ここでしか見ることができないおすすめビューポイントです!

大学内に古代の竪穴式住居跡?!遺跡保存庭園


大学周辺一帯は、市内を流れる扇状地の扇端。

豊富な地下水があり、水が湧くこの辺りには古代に村落があり、竪穴式住居跡が多く残り土器なども発掘されています。

キャンパス内の至る所でこういった遺跡があったそうですが、現在では完全にに埋まってしまい、往時を窺い知ることはできません。

この遺跡保存庭園は、そんな住居跡が保存されている空間です。手つかずのまま保存されていますので、草が茂るとその様子を伺うことは難しいです。ちょっとマニアックなスポットですね笑

北海道の礎になった札幌農学校第2農場


キャンパスの北東部に広がる緑地帯。ここに、クラーク博士の大農経営構想に基づき明治時代に建てられた木造建築群が、現在も残っています。

建造物はクラーク博士によって、「模範的畜舎」を意味する「Model Barn」とされ、その後の北海道農業の模範となるようにとの願いが込められたものです。

まさに現在の北海道の農業、畜産の礎になったとも言える第2農場。

国の重要文化財にも指定されています。

北海道が好きで何度も旅行に来ている方や、もっと深く知りたい、という方には、どこよりも見て頂きたいスポットです。

広い北大構内、レンタサイクルでめぐるのもおすすめ!

北海道大学には、広い構内にスポットが点在しています。

ゆっくりお散歩しながらめぐるのも気持ちがいいですが、歩行距離も時間も結構かかってしまうことも。

そんな時には、札幌のレンタサイクル「ポロクル」を利用するのがおすすめ!

市内中心部のいたるところにある「ポロクル・ポート」で簡単に借りることができて、好きなポートで乗り降りができる電動アシスト付きの自転車です。

自然豊かな北海道大学の構内を風を感じながら自転車で走るのも、気持ちがいいですよ!

札幌の街をレンタサイクルのポロクルで観光めぐりしてみた!