条例と聞くとなんとなく堅苦しく難しいイメージがありますが、そのまちならではのユニークでちょっと変わった条例もあります。

ここでは、そんな地元愛にあふれた北海道に面白い条例について、まとめてみました!

北海道の市町村にあるちょっと面白い条例まとめてみました!

「雪に親しむ」「数の子」「牛乳で乾杯」北海道にあるユニークな条例とは?

■ 地方公共団体の議会で制定される条例にはそのまちならではのユニークな条例があります

条例とは、地方公共団体がその議会によって制定する、それぞれの地域の事情や課題などが反映された自治立法。

なんとなく堅苦しく難しかったり、罰則が規定されていたりで怖いイメージを持っている方も多いかもしれませんが、北海道にはそのまちならではの地元愛にあふれたユニークで面白い条例もあるんですよ!

①「みんなで親しむ雪条例」倶知安町
■ 本倶登山からみる冬の倶知安と羊蹄山

きれいな円すい型の山容から“蝦夷富士”とも呼ばれる羊蹄山、そしてスキーリゾートとして知られるニセコ連峰に囲まれた倶知安町は、日本有数の豪雪地帯で、特別豪雪地帯にも指定されています。

そんな町にあるユニークな条例が「みんなで親しむ雪条例」です。

《みんなで親しむ雪条例》
 
第1条 この条例は、町民みんなが雪に親しみ、雪による生活の支障を克服して雪を資源として積極的に活用する施策の基本となる事項を定めることにより、雪対策の総合的な推進を図り、もって町民生活の向上と活力あるまちづくりに寄与することを目的とする。
 

(平成14年6月24日施行)

“みんなで親しむ”というなんともユルい感じの条例ですが、その内容は冬期間の交通や通信の確保、雪害対策、そして町民の雪捨てのマナーなどいたって真面目。

パウダースノーをもとめて世界中から観光客がやってくるニセコひらふ地区がある倶知安町らしい条例ですね!

②「留萌市かずの子条例」留萌市
■ 数の子生産日本一の看板があるJR留萌駅

北海道北部の日本海に面した留萌市は、かつてニシン漁で栄えた水産加工が基幹産業のまち。今でもニシンの水揚げがあり、その魚卵を塩漬けや天日干しした“数の子”は国内シェア50%を誇ります。

そんなこのまちの特産品にちなむ条例が、その名もズバリ「留萌市かずの子条例」です。

《留萌市かずの子条例》
 
第7条 市民は、基本理念に基づき、かずの子の伝統及び文化に関する理解を深め、市が実施するかずの子普及の推進に関する取組に協力し、かずの子を消費するよう努めるものとする。
 
第11条2 市は、学校給食の実施に当たっては、かずの子又はかずの子を食材としたものを積極的に使用するよう努めるものとする。
 

(平成28年9月23日施行)

この条例では、なんと市民は数の子を消費するよう努めることと明記されていて、しかも市内の学校給食でも数の子を出すこととなっています。

実際、市内の小学校では年2回、数の子がおかずとして提供される“かずの子給食の日”があるそう!

お正月のおせちで定番の数の子ですが、日常的に食卓に供されることは少ないですよね。消費拡大による地元産業の発展はもちろん、にしん漁の地元の歴史や伝統的な食文化を伝承していくのに、とても良い試みですよね。

③「牛乳で乾杯条例」中標津町
■ 牛乳のアピールのために地元農協の青年部が草を刈って「牛」の文字が浮かぶ中標津の牧場

北海道東部、知床連山の武佐岳の裾野から根釧大地にまたがる中標津町は、およそ39,000頭の乳牛が飼育される酪農が盛んなまち。ここで生産されている牛乳は酪農王国北海道の中でもトップクラスの品質を誇ります。

そんなこのまちにある驚きの条例が、通称「牛乳で乾杯条例」です。

《中標津町牛乳消費拡大応援条例》
 
第4条2 町民は、町内で行われる飲食物が提供される会食等において乾杯が行われる場合、可能な範囲において牛乳で乾杯し、その普及促進に協力するよう努めるものとする。
 

(平成26年4月1日施行)

この条例は正式には「中標津町牛乳消費拡大応援条例」といって、まちで生産される牛乳を広くアピールし、その普及と消費拡大を目的としたもの。驚くのがその内容で、町民は宴などで可能な限り“牛乳で乾杯”することが明記されているんです。

実際に、町内の催しなどでは牛乳で乾杯することがすすめられているそう。

お酒を飲む前に乳製品を摂ると酔いが回りにくい、という話もありますので、そういう意味でも理にかなった条例かもしれませんね!