神社は、パワースポットとしても人気の高い場所ですね。初詣やお祭り、七五三などの四季折々の行事に足を運ぶ方も多いと思います。けれど、その歴史や由来、成り立ちなどは意外に知らないのではないでしょうか。北海道の神社の歴史は、開拓の歴史とともにあります。厳しい開拓時代、神社は人々の心の支えでした。

札幌で最古と言われる神社や、パワースポットとしても人気の神社を、歴史や由来とともにご紹介していきます。

札幌の開拓とともに歩んだ歴史ある神社たち

神社の成り立ちや地域での歴史を紐解く

神社の成り立ちはその地域の人々の思いの証でもあります。それぞれの地域の神社の特色を感じながら参拝するとより趣深いですよ。神社に行くときはぜひその背景にある歴史にも思いを馳せてみてください。

(1)北海道最大の神社は開拓の歴史の証「北海道神宮」

北海道で最大の神社といえば、おなじみ北海道神宮ですね。北海道神宮は1964年までは、「札幌神社」と呼ばれていました。地域の中でも最も社格の高い一宮(いちのみや)で、明治天皇の勅命によって奉斎された神社になります。北海道開拓の守護を願い、大国魂神(おおくにたまのかみ)、大穴牟遅神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)の開拓三神が祀られた北海道神宮はまさに開拓者の心の拠り所でもありました。

円山の地に、北海道神宮が建てられたのは1871年のことです。1974年に一度放火の被害に遭い、現在見られる北海道神宮の社殿は1978年に復興したものになります。境内社には開拓神社もあり、北海道の開拓に尽力した、間宮林蔵や黒田清隆など37柱を御祭神として祀っています。

観光地としての北海道神宮は、桜の名所でもあります。また、日本では珍しく、桜と梅が同時に楽しめる場所としても人気です。その美しさには本当に神秘的なものを感じますね。

札幌市中央区宮ケ丘474
  1. 営業時間 :  
    [夏期] 6:00 - 17:00
    [冬期] 7:00 - 16:00
    ※期間により異なる
    ※正月期間は別途
  2. 住所 : 札幌市中央区宮ケ丘474
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(2)白石入植者たちの祈りの地「白石神社」

白石神社は、奥州白石領主の片倉小十郎の家来、佐藤孝郷率いる一団が、1872年に建立しました。白石に入植した人々の深い思いから建てられた神社です。白石神社の特徴は境内に他にもたくさんの神様が祀られていること。階段を下ると境内が広がり、そこにもいくつものお社があります。

境内には霊泉と呼ばれる現在札幌市内に唯一残る湧水があります。これを神の賜物として白石竜宮神社が奉斎されました。そのほかにも白石弁天神社や、白石伏見稲荷神社もあります。伏見稲荷神社は、1967年に京都伏見稲荷神社から分霊を奉戴した由緒あるもの。白石神社は縁結びや恋愛パワースポットとしても人気の場所です。

札幌市白石区本通14丁目北1番12号
  1. 営業時間 :  
  2. 住所 : 札幌市白石区本通14丁目北1番12号
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(3)犬の親子の石像がお出迎え「西野神社」

西野神社は、1855年に本州の広島から西野に、福井には福井から入植した人たちが、それぞれ奉祀していたお社を合祀して1869年に西野神社となりました。

西野神社も縁結びや恋愛成就、安産などにご利益があると言われているパワースポットです。

西野神社は地域に根ざした神社で、境内には子供相撲の土俵があり、また儀式殿ではコンサートなども催されています。

創祀120周年記念碑として、建てられたという安産の象徴である犬の石像は、西野神社の安産の神様に因んだものです。干支の文字がそれぞれ刻まれており、子供の健やかな成長を祈ります。

札幌市西区平和1条3丁目1番3号
  1. 営業時間 : 9:00 - 16:30
  2. 住所 : 札幌市西区平和1条3丁目1番3号
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(4)屯田兵たちの姿を偲べる「琴似神社」

琴似神社は、屯田兵として移住した仙台亘理藩の家臣が、1875年に武早神社として奉祀し、その後1897年に琴似神社と改称されました。現在の場所に移転したのは1944年です。

琴似神社には、北海道指定文化財の琴似屯田兵屋があり、北の過酷な地で冬の寒さに耐えながら、土地を切り開いた屯田兵たちがたくましく生きた姿を偲ぶことができます。

境内には、御門山琴似天満宮(みかどやまことにてんまんぐう)もあります。こちらの御祭神は学業の神様菅原道真。撫でると学業にご利益があると言われている「撫で牛」が置かれています。

札幌市西区琴似1条7丁目1番30号
  1. 営業時間 : 9:00 - 15:00
  2. 住所 : 札幌市西区琴似1条7丁目1番30号
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(5)札幌で最も古い歴史ある神社「篠路神社」

北区篠路にある篠路神社は、札幌では最古の神社と言われています。1855年(安政二年)に、幕府の家臣新井金助が従者12戸を従えて移住した時に、江戸の若宮八幡の神霊を奉祀したものです。

戦没者慰霊の平和顕彰碑や馬魂碑もあり、また、移住者によって伝えられた北海道では珍しい伝統芸能の獅子舞は、さっぽろ・ふるさと文化百選にも指定されています。最古の神社と言われるだけあり、なにか風格のようなものを感じます。

札幌市北区篠路4条7丁目2番
  1. 営業時間 :  
  2. 住所 : 札幌市北区篠路4条7丁目2番
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北海道の開拓者の思いが今も秘められた祈りの場所

札幌で最も古い神社やパワースポットとしても人気の神社を、歴史や由来とともにご紹介しました。未開の荒地だった北海道は、多くの入植者がたいへんな努力をして開拓した場所です。さまざまな土地から来て、困難な開拓を行う人々には、日々の心の支えが必要でした。それが人々や土地を守る神々を祀る神社だったのです。

北海道の歴史に思いを馳せながら、ぜひ由緒ある神社を訪ねて心にパワーを養ってみてくださいね。