札幌近郊・道央圏で屈指の人気を誇る名山、樽前山。

支笏三山にも数えられ、北に接する支笏湖のランドマークとしても親しまれる活火山です。

標高1,022mの外輪の東山山頂からは支笏洞爺国立公園の大パノラマが開け、シーズン中は多くの登山客で溢れる人気の山。

樽前山の魅力、初心者にもおすすめのルート、所要時間についてまとめてみました!

もしまだ登ったことがないなら、絶対おすすめの樽前山!

樽前山とは

支笏洞爺国立公園、支笏湖の南に接する樽前山。

風不死岳(ふっぷしだけ)、恵庭岳とともに支笏三山に数えられ、日本二百名山のひとつでもあります。

山頂では今なお活発な噴気活動がある活火山で、1978~1981年にかけては小噴火を繰り返しました。

現在見る事ができる溶岩ドームは1909年の爆発的噴火で形成されたもの。支笏湖温泉街からも望むができるそのユニークな山体は印象的なランドマークとして親しまれています。

最頂点は立ち入る事ができない溶岩ドームの1,041m、その外輪には一等三角点の東山の山頂で1,022m、三等三角点の西山ピークが994mと2つのピークがあります。

樽前山の魅力って何?!

■支笏湖から望む樽前山。お椀を逆さまにいたような溶岩ドームが印象的な山体

そんな樽前山は登山道が整備されていて、シーズン中には多くの登山客で賑わう札幌近郊・道央エリアでも屈指の人気を誇る山です。

7合目までは車で行く事ができ、登山道もしっかり整備されているので、初心者はもちろん、熟練のハイカーも繰り返し登りたくなるほど魅力に溢れています。

森林限界点が低く大きな木々がない裸山の樽前山からは、支笏湖と支笏洞爺国立公園の樹海や太平洋・噴火湾の大パノラマを望むことができるだけでなく、標高1,000m以下であって高山植物が咲き誇りお花畑が広がります。

ガレ場・ザレ場の登りごたえがある急斜面、溶岩ドームの外輪の稜線は緩やかなアップダウンは開放感が抜群のトレッキング、東山と西山の2つのピークを持ち縦走気分も楽しむ事ができるなど、たくさんの魅力が詰まった山が、樽前山です。

樽前山に登ってみた!ルート詳細と登山レポート

■多くの人が樽前山の登山で利用する7合目ヒュッテ登山口。初心者もこの登山口がおすすめ。無料の駐車場、トイレもありますよ!

実際に樽前山に登ってきました!

ルートは、初心者にもおすすめ&樽前山の魅力を最大限に味わえる、“7合目ヒュッテから東山山頂、風不死岳縦走路から下山するお花畑ルート”です。

  • 所要時間:180分
  • ルート詳細:7合目ヒュッテ→(東外輪山)→東山山頂→(北外輪山)→(932m峰分岐)→(風不死岳分岐)→7合目ヒュッテ
  • ① 7合目ヒュッテの登山口からスタート!
    ■登山口はヒュッテの上、入山届への記載を忘れずに。

    今回は樽前山に登る多くの方が選択する7合目ヒュッテの登山口からスタート!ここは無料の駐車場やトイレも整備されているので安心の登山口です。

    支笏湖の湖畔沿いの国道453号線から道道141号樽前錦岡線に入り、5合目ゲートを越え、そこから砂利道を2.5km程進むと7合目ヒュッテが見えてきます。

    ちなみに道道141号線は冬季は通行止めになります。例年、5月下旬から6月にかけて「5合目ゲート-7合目ヒュッテ」間が開通となります。

    ② 森林限界点を超えると視界がひらけてパノラマが!
    ■森林限界点を超えり、振り向くとすでに絶景が広がっています

    登り始めは木々のある森を通過。

    やがて10分ほどで森林限界点に到達すると急に視界がひらけて、振り返ると支笏湖のパノラマが広がります。

    ③ ザレ場・ガレ場の急斜面
    ■滑りやすいガレ場の急斜面、前方には噴火湾が見えてくる

    ここから先は序盤はザレ場、徐々に大きい石が多くなるガレ場の急斜面。足場は滑りやすいので気をつけて。

    腿や脹はぎへの負担も軽減できますので、小幅に足を進めましょう。

    このややきつい斜面が40〜50分程続きます。

    やがて外輪に近づくと、いよいよ樽前山の溶岩ドームが目の前に迫ってきますよ。

    ④ 東外輪山の分岐、太平洋・噴火湾の眺望がひらける!
    ■東外輪の合流点。ここから反時計回りに東山山頂を目指します

    外輪に到着すると、目の前には噴煙をあげる大迫力の溶岩ドームが!

    さらに、天気が良い日には太平洋の噴火湾の形がクッキリと望む事ができます。

    外輪の登山路に合流点から反時計回りに向かうと樽前山神社奥宮、西山ピーク方面です。今回は反時計回りの東山山頂へ向かいます。合流点からは300m,約10分、あと少しです!

    ⑤ 東山1,022mの山頂に到着!
    ■1,022mの東山山頂、晴れていても風が強い時があるので気をつけて

    さぁ、東山の山頂に到着しました!

    目の前には支笏洞爺国立公園の大自然と支笏湖、噴火湾の大パノラマが広がります。

    外輪の登山路、風不死岳への縦走路の登山路が稜線に沿ってずっと続いているのが見えます。こういった光景を見る事ができる山というのは、道央圏でもここにしかありませんね。

    この辺りでちょっと長めの休憩。

    外輪の稜線にある山頂は遮るものもなく、天候が良くても風が強い事がありますので気をつけて。

    ⑥ 風不死岳への縦走路→932m峰分岐→風不死岳分岐
    ■わかりやすい標識があるので間違うことはないはず。下山は「ヒュッテ」の方向に進んでいけば大丈夫

    東山山頂から反時計回りに外輪を進む先の帰路にはいくつかの分岐点があります。

    わかりやすい標識が立っていますので迷うことはないですが、あらかじめルートの確認はしておくようにしましょう。

    まず最初にある分岐が「932m峰分岐」、今回はヒュッテ方向に進みます。

    次にあるのは「風不死岳分岐」、こちらもヒュッテ方向に進みます。

    7合目ヒュッテの登山口に戻るなら、とにかくヒュッテ方向に進めば大丈夫。

    この辺りの下りもガレ場・ザレ場。下り場合は特に滑りやすいので気をつけてくださいね。ただし、足元ばかりみていると勿体無い!下りも大絶景が広がっていますよ。

    ⑦ お花畑を進み、7合目ヒュッテに到着!
    ■標高1,000mよりも低いこの場所でも可憐な高山植物が咲き誇るお花畑が広がる

    ヒュッテまでの下りは高山植物のお花畑が広がります。

    標高1,000m以下でこれほどのお花畑を見れるのも、樽前山ならでは。この山が北海道でも屈指の人気の理由がわかりますね。

    ガレ場とザレ場のお花畑を超えると、少しずつ植生が変化していき、足元は固まった溶岩の上を進むようになります。この辺りには雨などの侵食により噴火により形成されたこの場所の地形を物語る地層が露わになっていたり、とても興味深い道のりが続きます。

    60分ほどトレッキング気分の下山を続けると、やがて森林限界点から木々が立つ地形に戻り、ヒュッテにゴールです。

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