北海道の冬は雪が降り積もり、寒さも厳しい季節です。一方で、静かな夜に雪がシンシンと降り積もる光景はロマンチックで、うっとりしてしまう美しさもあります。寒い地域だからこそ見ることができる、自然が作り出す美しい光景もありますね。

広い北海道は冬の寒さにも地域差があり、海沿いの町と内陸部の町では気温の下がり方もずいぶん違います。

観光で初めて北海道へ観光で来る方は、冬の北海道ってどれくらい寒いの?!と不安になりますね。

北海道の“冬の寒さ”について、現地からまとめてみました!

バナナも凍る?!北海道の寒さと冬だけの自然現象

北海道の冬の寒さ

北海道の冬は寒く、厳しいものです。

地域差もありますが、10月下旬頃に気温がぐっと下がり、11月には冬の訪れを意識しだします。12月には本格的な冬を迎え、3月下旬の雪解けまでのおよそ4ヶ月間が北海道の冬です。

札幌では、例年だと11月上旬頃に初雪を迎え、下旬には雪がちらつく日が増え、12月上旬から中旬には根雪になると言われています。

■雪の積もる羊ケ丘展望台。冬は寒く厳しい北海道、実は放射冷却現象により晴れた日の方が寒い。

雪が降るということは、気温が下がっている証拠。また、降った雪が溶けずに残るということは、気温もマイナス(氷点下)になっているということですね。

1日の最低気温が氷点下になる日を「冬日」、1日の最高気温も氷点下の日を「真冬日」といいますが、札幌は12月からほぼ毎日が「冬日」です。1月になるとさらに気温が下がり、1月中旬から2月中旬はほぼ毎日が「真冬日」となります。

マイナス10℃ってどれくらい寒いの?

道外から観光で冬に北海道にくる方、冬のニュースで北海道の気温が伝えられる時、-10℃と聞いて「いったいどれくらい寒いの?」と疑問に思われる方もいますね。

-10℃の体感ですが、もちろん寒いです!

しかし、風がある日と風がない日では同じ-10℃でも体感はかなり違います。冷え込む日は放射冷却現象で晴れた日の夜や翌朝が多いのですが、これらの日は風があまりないので十分な防寒対策をしていれば耐えられない寒さではありません。

■氷点下10℃の温度計。2月上旬には内陸へ行くと-10℃以下が当たり前の真冬日が続く。

逆に氷点下を少し下回るくらいの風が強く暴風雪のような日の方がよっぽど寒く感じますね。こういった日は顔を覆うようにマフラーやイヤーマフをして十分な重ね着をしていても外にいるのがきつく感じるほどです。

実際には、札幌に住んでいると真冬の一番寒い時でも-10℃まで気温が下がることは稀です。しかし、スキー旅行などウィンタースポーツを楽しむのにスキー場へ行ったり、旭川など内陸へ行くと-10℃以下が当たり前なので、十分すぎるほど防寒対策をしてくださいね。

北海道で一番寒い町はどこ?

北海道の中でも、特に寒いのは旭川市。

旭川市は北海道で札幌に次ぐ2番目の都市。北海道の内陸部にある旭川は大きな山々で囲まれた盆地。東には2,000m級の大雪山系、西に天塩山地がそびえます。

旭川で記録されたこれまでの最低気温は-41.0℃!

これは旭川の気象台で1902年に観測された、日本でいちばん気温の低い記録です。札幌だと最低気温でも-10℃を下回ることは全くありませんので、旭川の寒さは比較になりませんね!

100年以上前の記録とはいえ、近年でも1月から2月にかけては日常的に-10℃を下回りますし、2019年1月13日には-29.5℃まで下がったという報道もありました。

■日本の観測史上最低の-41.0℃を記録した旭川市。

しかし、北海道でいちばん寒い町は旭川ではありません。

それは、陸別町(りくべつちょう)です。

陸別町は北海道の十勝地方にある盆地の町です。日本での最低気温の記録こそ旭川市に譲る陸別町ですが、日中でも日常的に-20℃を下回り、-30℃以下になる日も。1月の平均気温でさえ-10℃というから驚きです。反面、夏は暑くなり30℃を越えることがほとんどない北海道にあって陸別町では30℃を超える日も少なくないとか。年間での気温差はなんと70℃近くも!

■日本一寒い町”陸別”。最も寒い1月下旬〜2月の中旬では-20℃や-30℃の日々が続く。

札幌と函館、釧路、旭川。北海道の市町村で比較してみました!

1月の北海道の各都市の気温を比べて見ましょう。

参考として東京と沖縄県の那覇市、北極の気温も表にして見ました。

やはり、旭川の気温の低さが際立っています。北海道南部の都市、函館市は1月では最高気温がプラスになることがあります。最北端の地、稚内は意外にも札幌と平均気温は変わりません。しかし、風が強い町なので体感温度は札幌よりも寒そうです。

道東の港町、釧路は雪が少ない太平洋側に面する町ですが気温は下がるようです。

最高気温 最低気温 平均気温
札幌 -0.6℃ -7.0℃ -3.6℃
函館 0.7℃ -6.2℃ -2.6℃
釧路 -0.6℃ -10.4℃ -5.4℃
旭川 -3.5℃ -12.3℃ -7.5℃
稚内 -2.7℃ -6.8℃ -4.7℃
(東京) 9.6℃ 0.9℃ 5.2℃
(那覇) 19.5℃ 14.6℃ 17.0℃
(北極) -29℃ -33℃ -31℃

東京は寒くてもマイナスになることは、近年ではありません。沖縄県那覇市はさすがに南国!1月でも暖かいですね!

北極ですが、平均気温で-31℃はさすがに極寒です。最も寒い2月には-50℃近くまで下がるそうです。しかし、驚くのは旭川や陸別の最低気温は北極とほとんど変わらないか、北極よりも寒いかもしれないということ。北海道内陸部の盆地がいかに寒いかがわかります。

「この冬一番の寒さ」ってどれくらい寒い?

ニュースで「この冬一番の寒さ」「今季一番の冷え込み」という言葉をよく耳にします。

こういったニュースが出るときは、北海道の日本海側に低気圧が発達して冬型の気圧配置になると寒波が流れ込みます。さらに暴風となると地面の雪が舞うホワイトアウトを引き起こし、視界が悪くなると車の運転も危険です。

札幌の寒い日でも-10℃以下になるのは稀ですが、2019年1月には“数年に一度の寒波”が襲って-13℃まで気温が下がりました。旭川や内陸部では-30℃近くにもなります。これは北極の気温と変わりません。

ちなみに家庭用の冷蔵庫の冷凍室の温度は-18℃。北海道の内陸部は冷凍庫よりも寒い気温が日常です。

「冷蔵庫は凍らせないために使う」「凍らせたいなら外に置いておいた方がよっぽど早い」なんて冗談みたいな話もありますが、あながち間違った話ではないのです。

シャボン玉も凍る?!

時々テレビ番組で「シャボン玉を凍らせる」なんていう実験を目にします。一般的なシャボン玉は-15℃を下回ると氷始めるそうです。凍ったシャボン玉の表面に結晶が現れ、美しい天然のスノードームが出来上がります。

「凍ったバナナで釘を打てる」なんていうのもありますが、これはバナナの皮がヒビが入ってしまったり、割れたりして実際にはなかなか難しいようですね。しかし、-40℃で放置されたバナナはキンキンに凍って叩くと金属音がするそうですよ。

「振ったタオルが凍る」というのもよく耳にしますね。これは-10℃位になると簡単に再現できます。北海道の小学校では授業でこういった実験をした、なんて話しも聞いたことがあります。

他にも、鼻毛やまつ毛が凍る、ヒゲが凍る、なんて話もあります。こちらは実際には長時間も凍るまで外にいる事が辛すぎて、体験したことはありませんが、お風呂あがりに髪を乾かさずに外に出ると髪がパリパリになる、なんてことは良くありますね(笑

晴れた日の方が寒い?

北海道の冷え込む日は晴れた日が多いのです。

これは日中の太陽で暖められた地熱が、雲で遮られることなく熱を放出してしまうからで、これを放射冷却現象といいます。晴れた日の夜間、翌朝にグッと冷え込むのはこういった現象によるものなのですね。

逆に、曇りの日や雪の日に気温が下がるのは、それだけ強い寒気が北海道上空に流れ込んでいるためと言えます。

冷え込んだ日にだけ見られる、神秘的な光景

樹霜(じゅそう)

< 気温が下がった空気中の水蒸気が、樹木の枝にあたり、樹木に霜でできると樹霜になります。樹氷(樹氷)の一種ともされますが、厳密には違うものです。札幌市内でもスキー場など山に行くと簡単に見ることができますし、内陸部では街中でも目にすることができますね。 霜をまとった真っ白な木々は、幻想的でロマンチックです。

ダイヤモンドダスト

空気中の水蒸気が凍ってできた小さな結晶に日光があたると、キラキラ輝いて見えることがあります。

気象条件が揃った時にしか見ることができない、冬の大地の贈り物。気温が-10℃以下になった時の快晴、早朝に見ることができると言われていますが、なかなか簡単に見ることができるものではないです。

サンピラー

ダイヤモンドダストが、さらに一定の方向から光を浴びると光の柱が現れ、サンピラーと呼ばれます。こちらはさらに気象条件が揃わないと見ることができない奇跡の自然現象。見ることができた人はラッキー!

星空

気温が下がる北海道の冬、湿度も下がり空気が澄んでいるこの季節は、夜空の星も一層くっきりときれいに見ることができます。

都市部からちょっと離れた場所でも満点の星空を眺めることができるスポットも多くあります。

日本一寒い陸別町は「星空の街」にも選定されている北海道の星見スポット。「りくべつ宇宙地球科学館(銀河の森天文台)」では一般公開されている天文台としては日本最大級の115cmの反射望遠鏡や、複数の小型望遠鏡が設置されていて、晴れた日には満点の星空の下、宇宙の星々ももっと身近に感じることができそう。