広大で四方が海に囲まれ北海道は、地域によって気候の特徴が大きく異なります。

北海道の気象台・測候所がある8つの主要都市で、風が強いまちやその理由について、まとめてみました!

北海道の「風が強いまち」はどこ?

道内主要都市の風速と最大瞬間風速ランキング!

■ 北海道の風が強いまちはどこ?

北海道でいちばん風が強いまちは、どこでしょうか?

風の強さは風が移動する速さである“風速”を用いて表されて、これには「平均風速」と「瞬間風速」があります。

平均風速とはある時間内の平均の風速のことで、単に風速という場合は10分間の平均値、日平均風速は0時から24時までの平均値です。また、瞬間風速は3秒間の風速の平均値です。

ここでは、平均風速と瞬間風速の観測データの平年値から、北海道の主要都市で風が強いまちをみていきます。

※2007年11月以前は0.25秒毎に更新される風速値が瞬間風速とされていました。

道内主要都市の風速ランキング!

気象庁の観測データより、北海道の主要都市を平均風速の平年値と瞬間風速(カッコ内は観測日)を表にまとめ、平均風速が高い順にランキングしてみました!

都市名年平均風速
(m/s)
日最大瞬間風速
(m/s)
1.釧路5.043.2
(2016/8/17)
2.室蘭4.655.0
(1954/9/26)
3.稚内4.644.9
(1995/11/8)
4.札幌3.650.2
(2004/9/8)
5.函館3.646.5
(1999/9/25)
6.網走3.337.5
(2004/9/8)
7.旭川3.034.1
(2010/3/21)
8.帯広2.232.3
(2002/10/2)
(参考)東京2.946.7
(1938/9/1)
大阪2.460.0
(1934/9/21)
沖縄5.373.6
(1956/9/8)

※気象庁過去の気象データ北海道主要都市の日平均風速と瞬間風速(1991〜2020年)より

北海道でいちばん風が強いまちは「釧路」
■ 北海道の主要都市でいちばん風が強いまちは道東の釧路

北海道で年間の平均風速が高いのは道東の中心都市・釧路で、海霧が多く発生するまちとしても有名です。

天気予報などで「やや強い風」と表される風速10m/s以上の風を観測する日は年間109.9日、「強い風」と表される風速15m/s以上の風を観測する日は年間27.2日で、いずれも北海道内の主要都市で最多です。

太平洋高気圧が張り出す夏の季節以外は、移動性高気圧や台風が通過する秋、そして西高東低の気圧配置で北からの風が強まる冬、低気圧と高気圧が入れ替わる春と、一年の多くの季節で風が強くなりやすい地域です。

防風林の風景が美しい「帯広」は意外にも風が少ない?!
■ 防風林が印象的な十勝の風景も実は風はそれほど強くない?

十勝平野のカラマツやシラカバの防風林は、観光客に人気の北海道の原風景のひとつ。

そんな十勝・帯広ですが、じつは意外にも風がそれほど強い地域ではありません。

風速10m/s以上の風を観測する日は年間12.9日で北海道内の主要都市では最少、風速15m/s以上の風を観測する日は年間で1日あるかないかというほどです。

それでも、春の耕作の時期に日高山脈を越えて乾燥した強風が吹きおろす“十勝風”や“日高おろし”と呼ばれる風は、畑の土壌の侵食/流出や植栽した苗が吹き飛ばされてしまうなどの風害をもたらします。

実は強風のまち!「札幌」の最大瞬間風速は50.2m/s!
■ 北海道の政治経済の中心・札幌は強風のまち!

北海道の都市の中でも、意外と風が強いまちが札幌です。

石狩平野から苫小牧周辺まで日本海と太平洋を結ぶ“石狩低地帯”には遮るものがなく、鞍部のような形状になっているため、しばしば風の通り道になることが、札幌が年間を通して比較的強い風が吹きやすい理由です。

風向きは季節によって変わり、12月〜1月は日本海側からの北西の風、2月〜11月は太平洋側からの南東の風になります。

ちなみに、これまでに札幌で観測された最大瞬間風速は2004年9月8日。

この日は、“平成16年台風第18号”が北海道の西海上を北上していました。札幌市内では街路樹や公園の木々などが倒れる被害が続出し、北大ではポプラ並木も約半数が倒れたことから、“ポプラ台風”とも呼ばれています。