北海道の初夏といえば、丘一面に広がるラベンダー畑の景色をイメージされる方も多いですよね!
ラベンダーは6月下旬から7月いっぱいの爽やかな季節に薄紫色の花をつける常緑の低木。
北海道でも屈指の人気観光地である富良野が有名ですが、その栽培のルーツは、戦前・昭和初期の札幌にあることは知っていましたか?
北海道のラベンダー栽培の歴史とおすすめスポットまとめ
ラベンダーの爽やかな香りに包まれる北海道の初夏
紫色の絨毯が丘一面に広がる風景はいかにも北海道らしく、初夏の北海道を代表する風景のひとつがラベンダーです。
例年、6月下旬から花を咲かせ、7月上旬から中旬に見頃を迎えます。
その優しく甘い香りは、ほんのりウッディな爽やかさもあって、アロマオイルや香水などにも利用される人気のハーブです。
札幌で始まった日本のラベンダー栽培
日本でのラベンダー栽培の歴史を辿ると、そのルーツは札幌にあることがわかります。
1937年(昭和12年)、曽田香料の創始者である曽田政治氏が化粧品香料の国産化を目指し、フランスからラベンダーの種子5kgを入手します。
日本各地で試験栽培を行い、北海道が生育に適していることがわかると、1940年(昭和15年)に札幌南ノ沢(現在の札幌市南区南沢)の麻田農場で16.4haの委譲を受けラベンダーが植えられていきます。
こうして、戦前・昭和初期に、本格的なラベンダー栽培が札幌で始まったのです。
香料作物としての栽培から観光農園へ
札幌でのラベンダー栽培は、1942年(昭和17年)に日本ではじめての“ラベンダーオイルの抽出成功”につながります。
戦時下では食糧増産の国策による転作もありましたが、戦後は再びラベンダーオイルの生産が本格化し、ニセコや富良野でもラベンダー栽培が始まります。
最盛期の1970年(昭和45年)には北海道のラベンダーオイル生産は5tを記録しますが、その後は安い合成香料の輸入の影響によりラベンダー畑は次第に姿を消していき、1972年(昭和47年)には札幌での香料原料としてのラベンダー栽培が幕を閉じます。
北海道のラベンダー栽培は苦境に立たされますが、転機となったのが、1976年(昭和51年)の旧国鉄のカレンダーに掲載された富良野の美しいラベンダー畑の写真。
さらに、1981年(昭和56年)放送開始のテレビドラマ「北の国から」のロケ地となったことで、富良野はラベンダーの町として一気に全国に知れ渡り、富良野のラベンダー畑は今や北海道を代表する観光スポットとなったのです。
札幌のラベンダー畑おすすめスポット3選!
札幌の初夏を爽やかに彩るラベンダー。
ここでは、ラベンダー栽培の歴史を感じることができるスポットや最近話題の人気スポットまで、札幌のおすすめラベンダー畑をご紹介いたします!
① ラベンダー発祥の地 / 札幌市南区南沢
ラベンダー発祥の地となった札幌市南区南沢にある南沢神社の境内には、斜面に植えられたラベンダーが当時の様子を伝えるとともに、その由来を記す記念碑が建立されています。
このあたりでは数百メートルに渡って街路花壇にもラベンダーが植えられています。
いまや北海道を代表する風景となったラベンダー畑が、かつてこの地で始まったとおもうと感慨深いですね。
- 営業時間 : -
- 住所 : 札幌市南区南沢4条4丁目15 ラベンダー発祥の地
- TEL : -
- 見頃は例年6月下旬〜7月末頃
② 東海大学・札幌キャンパスのラベンダー畑
ラベンダー発祥の地である南沢にある東海大学札幌キャンパスでは、正門脇の約1,666㎡の敷地に3種類(ヒデコート、濃紫早咲き3号、オカムラサキ)、計2,630株のラベンダーが植栽されています。
例年、見頃を迎える時期には一般公開され、期間中には大学ボランティアサークルが運営する「南沢ラベンダーまつり」も開催されるなど、多くの見物客で賑わいます。
- 営業時間 : 9:00 - 16:00
- 住所 : 札幌市南区南沢5条1丁目1-1
- TEL : -
- 一般公開は例年7月1日~31日頃(要確認)
幌見峠展望駐車場 ラベンダー園
近年、札幌の新しい観光スポットとして人気となっているのが、幌見峠展望駐車場ラベンダー園です。
ここは、札幌南西部の山あいの盤渓エリアにある峠道の途中にある展望駐車場で、札幌市内を一望する絶景で人気!
隣接するラベンダー園には約7,000株のラベンダーが植えられていて、札幌の町並みを背景に広がるラベンダー畑はまさに絶景です。
- 営業時間 : 9:00 - 17:00
- 住所 : 札幌市中央区盤渓471番地110
- TEL : 011-622-5167
- 例年7月上旬~7月末頃
車での来園:500円(駐車料金込み)