北海道の象徴になっている北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)。

赤レンガ敷きの広場と両脇に植えられたイチョウ並木がある北3条広場は、2014年にオープンし「アカプラ」の愛称で親しまれている憩いの場です。

ここにある「木レンガ舗装とイチョウ並木」がさっぽろ・ふるさと文化百選に選定されています。

近代的な商業ビルとおしゃれなカフェテラス。北海道開拓の面影を残す広場は新旧が調和する空間。

市民憩いの場になったアカプラのレンガ敷きの下に残る「木レンガ舗装」

■「北3条広場(アカプラ )」の両脇には近代的な商業施設が

「北3条広場」ができる以前の「北3条通り」は赤れんが道庁正前から駅前通りを抜ける車道でした。

赤れんが道庁からまっすぐ東に伸びるこの通りが造られたのは北海道開拓時代の明治初期。開拓使によって「札幌通り」と名付けられていたそうです。通り沿いには札幌農学校や開拓使の紡績場、製網場、味噌製造所などの官営工場が立ち並んでいました。

人気の大型ショッピングセンターであるサッポロファクトリーもこの通り沿いにあります。象徴的な赤レンガの建物は、サッポロビールのルーツである開拓使麦酒醸造所の工場跡です。隣には第2代北海道庁長官・永山武四郎の私邸も現在に残されています。

そんな「北3条通り」は札幌で初めて舗装がされた道路でもありました。赤れんが庁舎前から駅前通りまでの区間(現在のアカプラ)が、1924年にブナ材で作られた木製のレンガで舗装がされたのです。木レンガの舗装は北海道の気候に適さず、その後アスファルトで覆われてしまうことになるのですが、現在では赤レンガ道庁に合わせレンガ敷きになっています。

その後、アカプラとして再整備された現在でも、そのレンガ敷きの下には当時の木レンガが残されており、「札幌舗装道路発祥の地」碑が立っています。

近代的な商業施設とカフェテラスが並ぶ「イチョウ並木」

■北3条広場のイチョウ並木は10月下旬〜11月上旬頃が見頃

北3条広場「アカプラ」の両脇に美しいイチョウ並木があります。

この木が植えられたのは木レンガの舗装がされた翌年の1925年。当時植えられた木が現在に残り、北海道内で最も古い街路樹になっています。

春の芽吹く季節から緑深まる夏、広場のベンチにはイチョウの木でできる影で腰を下ろし、本を読んだりおしゃべりを楽しむ人々の姿を多く目にします。秋の色づく季節には、黄色に染まるイチョウ並木に思わず目を奪われます。葉が落ち、雪が降る季節にはイルミネーションが美しいイチョウ並木は四季を通じて親しまれています。

■近隣の商業施設にあるカフェテラス

この開拓時代の面影を残す広場には、隣接する近代的な商業ビルのカフェテラスが並び、新旧が調和した空間になっています。

おしゃれなカフェで一息つくとき、ふと開拓時代の札幌に想いを馳せてみると、アカプラで過ごす時間がさらに特別に感じることが出来るかもしれませんね。