小説を読むとき、知っている街や住んでいる街が舞台になっていると、いつも以上に感情移入できて読書が楽しめることってありますよね!

ここでは、北海道の実在する街が舞台になっている小説の中でも、特に北海道の風景や自然、街の様子の描写が豊かな小説をセレクトしてご紹介します。

北海道を実在にした小説おすすめ5選!

札幌・小樽・富良野・釧路 etc…実在する北海道の街が舞台になっている小説まとめてみました!

■ 北海道が舞台のおすすめの小説5選!

早速、北海道が舞台になっている小説の中でも特におすすめをセレクトしてご紹介します!

普段はあまり本を読まない方でも、知っている街が出てくると、とっても読みやすく感じることもあります。

読書好きな方もそうでない方も、まだ読んだことがない小説があれば、ぜひ次の1冊に手にしてみてはいかがでしょうか?

① 物語のおわり(著:湊かなえ)
■ 作中に登場する上富良野の日の出公園ラベンダー園。
小説の舞台:札幌、小樽、上富良野、美瑛、旭川、網走、知床、摩周湖、洞爺湖ほか

人生の困難にある中で北海道を旅する人々が書かれている群像小説の本作は、札幌や小樽、富良野、美瑛など道内にあるたくさんの有名観光地が舞台になっていて、北海道らしい自然景観が丁寧な描写で綴られています。

作者は「告白」や「Nのために」など数々のヒット作があり、テレビドラマや映画化される作品も多いベストセラー作家の湊かなえさん。

湊かなえさんといえば、重厚なテーマのミステリー作品のイメージが強いかもしれませんが、本作はとても爽やかで明日への勇気がもらえるような物語です。

北海道好きな方、これから北海道を旅しようと思っている方、そして北海道に住んでいる方へ、まず最初におすすめしたい1冊です!

〜あらすじ〜

人生の困難に立つ旅びとが北海道で人伝てに手にしていく「空の彼方」という私小説。その結末は書かれていないが、物語に自分の人生を重ねながら「自分だったら…」と答えを見出して明日への一歩を踏み出していく。やがて、明らかになる物語の本当の結末とはーー

② 起終点駅 ターミナル(著:桜木紫乃)
■ 作中で完治が敦子を見送る釧路駅の全景
小説の舞台:釧路、厚岸、留萌ほか

直木賞作家・桜木紫乃さんによる短編小説集『起終点駅 ターミナル』に収録されていて表題作である本作は、作者の出身地でもある道東の港町・釧路が舞台になっています。

桜木紫乃さんといえば北海道を舞台とした作品が多くあり、その詩的で美しい文体が印象的ですが、本作でも釧路らしい冷涼な気候や空気感、坂から見下ろす太平洋の様子が美しい描写で綴られています。

2015年には本作を原作として主演に佐藤浩市さん、ヒロインに本田翼さんで映画化されたのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

この短編集に収録のほか5編も札幌や函館、天塩などいずれも北海道の街が舞台になっています。

〜あらすじ〜

妻子を捨て釧路で法律事務所を開いて30年が経つ鷲田完治。以来、国選弁護しか引き受けていない。完治が自分に課した最低限の縛りだった。ある時、覚醒剤使用で執行猶予付きの判決を受けた椎名敦子から「探して欲しい人がいる」と頼まれるがーー

③ 北緯43度のコールドケース(著:伏尾美紀)
■ 作中、主人公の配属先「中南署」として登場する札幌方面南警察署
小説の舞台:札幌市(南区南沢、手稲区手稲本町、北区麻生、北区太平、JR札幌駅)ほか

2021年、第67回の江戸川乱歩賞の受賞作品である本作は、札幌で起きた未解決事件の真実に迫る本格ミステリー。

事件が起きるのは札幌市南区南沢や手稲区手稲本町、捜査で重要な証言を得るのは北区の麻生や太平など、札幌市民や土地勘がある方にはまるでノンフィクション作品か現実に起きていることかと錯覚してしまいそうになるほど。

犯人と捜査員の逃走/追跡劇では札幌駅構内の様子がリアルな書かれていて、札幌市民であれば誰でも「あーあそこ!」となる描写が盛りだくさん。

登場する人物の魅力やミステリーの面白さも乱歩賞受賞とあってさすが!

〜あらすじ〜

博士号を持ちながら30歳で警察官になった沢村。ある日、札幌市南区南沢で女児の遺体が発見された。5年前の誘拐事件の被害者のものだった。行方がわからぬまま過ぎた年月で成長した被害者がなぜ今になって?次第に明らかになる道警史上に残る未解決事件(=コールドケース)の真実とはーー

④ ウチらは悪くないのです。(著:阿川せんり)
■ 作中に登場するトラス構造でガラス貼りのアピアドーム。
小説の舞台:札幌市(北海道大学、札幌駅のスターバックス、アピア、地下歩行空間)、小樽水族館ほか

女子大生2人の芝居がかった独特で軽快な口調のやり取りで進む日常。

大学生なのだからサークル入ってバイトして彼氏を作る。リア充こそが本物の青春ーーでも実際はそんなにキラキラして見えるものだけが青春じゃないですよね、というアンチ青春小説。

作中で明確にはされていませんが、主人公たちが通う大学は作者の母校でもある北海道大学がモデルになっているのはキャンパスの描写からも明らか。

度々登場する札幌駅のスタバやガラス張のアピアドーム、地下歩行空間から直結するビルにあるタリーズなど、札幌に住んでいる方きっとは思い当たるシーンも多く、微笑ましい気持ちで読み進めることができるのではないでしょうか。

〜あらすじ〜

「彼氏、欲しい?」ーー札幌の大学に通う[うえぴ]と[あさくら]は毎週金曜日に札幌駅構内のスタバでぐだぐだ入り浸るのが恒例。強引に誘われた新歓で出会った優良物件のイケメンと付き合うことになった[あさくら]を[うえぴ]は冷静に見守るがーー

⑤ 留萌本線、最後の事件 トンネルの向こうは真っ白(著:山本巧次)
■ 作中に登場する国鉄キハ54型気動車が峠下駅ですれ違う様子。
舞台:留萌(留萌本線 深川駅、恵比島、峠下トンネルほか)、夕張(夕張支線 夕張駅、清水沢駅)

本作の舞台となるのは深川と留萌を結ぶ留萌本線。現役の鉄道マンで「このミステリーがすごい!大賞」の最終候補に残る実力派の作者が書く鉄道ミステリー小説です。

列車の乗っ取りが起きる留萌本線。列車が通過していく駅はどれも実名で存在するもので、事件の現場となるトンネルも実在するものです。

北海道に数多くあった炭鉱から石炭を運ぶために敷かれた鉄道が、閉山と共に周辺の街の人口減少が重なり次々と廃線になってきたこと。そして閉山や廃線に振り回され、人生が大きく変わってしまった作中のような人たちが確かに存在するのかもしれないというリアリティも感じさせてくれる1冊。

廃線が事実上決まっている(2022年9月 本記事執筆時点)、留萌本線。ぜひその最後を見届ける前に読んでみてはいかがでしょうか?

〜あらすじ〜

廃線直前の留萌本線に乗車するため、浦本は留萌行き下り始発が出る深川駅に来ていた。だが、動き出した列車で発車後まもなくハイジャックが発生、車両内に閉じ込められてしまう。前代未聞の事態に頭を悩ます道警に、交渉相手に道議会議員の河出指名し、「留萌本線廃止の撤回」と「身代金1億7,550万」の要求の連絡が入る。犯人の本当の目的とはーー