新緑がいっきに芽吹く札幌の春。
みずみずしい若葉の木漏れ日の中を歩くと、心も身体も浄化されていくようで嬉しくなりますね。
そんなお散歩道は、札幌市内にもたくさんありますが、西区の西野に、白樺並木と八重桜並木が美しい「西野緑道」という公園があるのを知っていますか?
住宅街にある緑の散歩道・西野緑道を散策
西野緑道の白樺並木と八重桜並木をお散歩してきました!
西野緑道は、かつてこの地に多くあった用水路の跡に造成された公園。
水路沿いの1.3kmにわたって、緑豊かな美しい遊歩道が整備されています。
春には新緑の木漏れ日が気持ちいい白樺並木と、満開に咲き誇る八重桜のトンネルがほんとにきれいなので、お散歩におすすめですよ!
- 営業時間 : -
- 住所 : 札幌市西区西野 西野緑道
- TEL : 011-667-3201(西区土木センター)
- 駐車場:隣接する発寒川緑地に無料駐車場(21台)あり
大輪の花が咲き乱れる八重桜並木
西野緑道の手稲左股通りの西側エリアのおよそ100mほどの区間にわたって、八重桜の並木があります。
ここには、紅色が鮮やかなカンザン(関山)をはじめ、薄紅色のフゲンゾウ(普賢象)など大輪の花が咲き乱れます。
中には、ウコンという淡黄色の花を咲かせる桜や、まっすぐに伸びて立ち姿が美しいアマノガワなど、珍しい品種の桜も植えられています。
八重桜とは、ソメイヨシノなど一般的な桜の花びらが5枚の桜ではなく、6枚以上の花びらを付ける桜の総称。
開花時期はソメイヨシノに遅れること1~2週間ほどで、札幌市内では5月中旬ごろが見頃となります。
花は長く楽しめるので、春の晴れた日に、ふと思い立ったら出かけてみるのもいいですね。
木漏れ日の白樺並木
隣接する発寒川緑地に近いエリアには、200mほどの区間にわたって白樺並木があります。
晴れた日の木漏れ日の中歩くと、心も身体も元気になれそうな気がして、ついつい嬉しくなってしまうような散歩道です。
日陰のベンチや四阿(あずまや)もあるので、ゆっくり時間をすごしてみるのもおすすめですよ。
お散歩中、エゾリスにも出会えるかも?!
西野緑道には、エゾリスも棲みついています。
どんぐりなど木の実がいっぱい落ちているので、お食事中のエゾリスに出会えることも少なくありません。
エゾリスは季節によって活動時間が異なり、春から夏は午前中、秋は昼頃が出会える確率が高いようです。
西野緑道の由来は? – 西区・西野の歴史を学ぶ
かつて札幌でも有数の米どころだった西野。
西野緑道は、水田が広がる西野に多くあった用水路跡に昭和56年(1981年)〜61年(1986年)にかけて造成された公園です。
歴史的な背景を知ってから訪れてみると、お散歩がもっと楽しくなりますね!
西野の一帯に広がっていた「田んぼ」と「西野米」
明治初期からはじまった、西野の開拓。
明治18年(1885年)には、広島県から6戸18人が移住してきて、本格的な開墾がはじまりました。西野の開拓は、その功績を称え「広島開墾」とも呼ばれています。
明治19年には米作りがはじまり、西野に水田が徐々に増えていきました。
明治30年代になると水田が増えてきたことによる水不足を解消するための用水計画が推進され、「広島開墾用水」や「西野用水」と呼ばれる農業用水路が作られ、西野一帯には“田んぼ”が広がっていくことになります。
『西野緑道』は、この時の用水路のひとつの跡地です。
西野でとれるお米は、その味の良さが定評となり「西野米」という銘柄で他の道産米より高値で取引されていたそうです。
米どころ・西野の面影を探る
かつては一帯に田んぼが広がっていた西野ですが、いまではもう見かけることはできなくなりました。
しかし、その面影はいまでも様々なところで見つけることができます。
西野第二公園の「用水開鑿記念碑」
西野中学校近くある西野第二公園には「用水開鑿(さく)記念碑」が建てられています。
これは明治33年(1900年)、水田の水不足を解消するために琴似発寒川や中の川から水を引くため長さ4kmに及ぶ「広島開墾用水」が完成したのを記念して、翌明治34年(1901年)に建てられたものです。
この農業用水によって、のちに西野は「西野米」で知られる米どころになりました。
五天山公園の「水車小屋」
西野の用水路には140もの水車小屋が建てられ、その動力は脱穀やもみすりなどの精米作業に利用されてきました。
五天山公園には、復元された水車小屋が公開されていて、かつてのように夏にはホタルを鑑賞できるような水路も整備されています。
また、当時の水車は、手稲東小学校の「昔の道具展示コーナー」で見ることができるそうです。