「北海道はとにかくビールが美味しい!」観光客も声を揃える北海道のビール。北海道の気候で作られ、北海道の味覚と味わうビールは格別ですね。

札幌中心部にあるサッポロファクトリー、そして日本ハムファイターズの屋内練習場でも馴染み深いサッポロガーデンパークにある赤煉瓦の風格ある歴史的建造物を辿ると、北海道開拓使時代に遡る、北海道のビール作りの原点に出会うことができました。

札幌の美味しいビールの歴史をたどる赤煉瓦の風格ある歴史的建造物

北海道開拓使時代に遡る、北海道のビール作りの原点

北海道のカラッとした夏に飲むビールは格別。毎年7月末頃、夏の始まりとともに札幌の大通公園はじめ各地で開催されるビアガーデンは多くの人々で賑わいます。また、寒い季節にポカポカの室内で飲むビールもまた美味しいものです。ジンギスカンや新鮮な海の幸、山の幸にもビールが良く合いますね。

◾️北海道でビールを飲むなら”サッポロクラシック”、北海道限定のビール。

道外からの観光客も、「北海道はとにかくビールが美味しい!」と声を揃えます。最近では海外からの観光客にも評価が高く、ビールの本場のドイツ人も唸るほどとか。

そんな北海道で飲むビールで圧倒的な人気を博しているのはサッポロクラシック。飲食店で提供されるビールも、スーパーやコンビニで見かける缶ビールも、サッポロビールのサッポロクラシックは北海道に住んでいる人にはおなじみの存在です。コクがあるのにスッキリした飲み心地、ホップの豊かな香りを感じる麦芽100%のサッポロクラシックは、北海道だけで飲むことができる限定のビールです。

そんなサッポロビールのルーツをたどると、北海道開拓使時代につながります。

札幌麦酒会社工場(札幌第1製造所)

1876年に開拓使次官、黒田清隆の指揮で開拓使麦酒醸造所が設立。この開拓使麦酒醸造所こそ、のちのサッポロビールのルーツです。

その工場であった「札幌麦酒会社工場(札幌第1製造所)」が「さっぽろ・ふるさと文化100選」に選定されています。

この工場は1892年に建てられた赤煉瓦の風格のある建造物で、1989年までビールを生産していました。現在は複合商業施設として一帯が再開発され、大型のショッピングセンターである「サッポロファクトリー」として生まれ変わりました。趣ある赤煉瓦の工場はショッピングセンターの一部として、シンボルの黒い煙突と共に現在にその姿を残しています。

■約140年の時を経て、北海道のビール作りの原点に復活を遂げた札幌麦酒醸造所

1998年には「札幌開拓使麦酒醸造所」が開業。再びこの地でビールが作られるようになりました。日本のビールづくり発祥である開拓使麦酒醸造所と同じ場所で創業当時の製法を基にしたビールが今も黄金色で輝く仕込み釜で作られています。ここで作られる「開拓使麦酒」の味わいは日本のビールの原点そのものです。建物裏にある「札幌開拓使麦酒・賣捌所」や、1907年にビール樽の貯蔵庫として増築された3本のトンネルを利用したビアホール「ビヤケラー札幌開拓使」の店内ではジンギスカンと共に味わうことができます。

旧札幌製糖会社工場

サッポロファクトリーから北東に1kmほど離れたところには「旧札幌製糖会社工場」があり、「旧札幌麦酒会社工場」と共に「さっぽろ・ふるさと文化100選」に選定されています。

◾️旧札幌製糖会社工場、その後サッポロビール札幌工場第2製造所となり現在は”サッポロビール博物館”になっている。

この建物は札幌製糖会社により1890年に建てられた製糖工場ですが、年々増えるビール需要に対応すべく1903年に札幌麦酒会社に買い取られ、製麦工場(サッポロビール札幌工場第2製造所)として使用されるようになりました。

こちらでは1965年まで工場として稼働していましたが、近年「サッポロガーデンパーク」として再開発され、ショッピングセンター「アリオ札幌」や北海道日本ハムファイターズの屋内練習場などがある複合施設になりました。大きな赤煉瓦の工場は日本で唯一のビールに関する博物館となっている他、ビールとともにジンギスカンを味わうことができるレストラン・ビアホール「サッポロビール園」として市民や観光客で賑わう人気スポットになっています。

◾️ジンギスカンホール(サッポロビール園)も併設。ぜひジンギスカンと一緒にビールを楽しんで。

北海道で味わう美味しいビールも、そのルーツは開拓使時代にありました。今晩はビールを片手に、“先人の努力に乾杯!”とされてみてはいかがでしょうか?