これまで北海道と本州を結ぶ交通の主役だった飛行機。

しかし、2030年に予定されている北海道新幹線の札幌延伸によって、北海道から本州への移動はもちろん、北海道内の移動にも大きな変化が起きるかもしれません。

気になる飛行機と比べての所要時間や料金について、まとめてみました。

2030年に札幌延伸!北海道新幹線で札幌⇄東京間の移動はどうなる?!

北海道新幹線で札幌から東京までの所要時間は何時間?

■ 北海道新幹線が札幌まで延伸すると札幌ー東京間の所要時間は?

2030年に札幌延伸が計画されている北海道新幹線。

2012年に新函館(仮称)ー札幌間の工事実施計画が認可された時の資料によると、北海道新幹線は札幌と東京を5時間01分で結ぶとされています。

これまで飛行機がメインだった札幌ー東京間の移動に、手段に新たな選択肢として加わることになります。

<札幌⇄東京>新幹線と飛行機どっちが早い?

■ 北海道新幹線の札幌延伸で新幹線駅になるJR札幌駅

では、新幹線と飛行機での所要時間を比べると、どっちがどのくらい早いのでしょうか?

札幌駅から東京駅までの新幹線と飛行機でそれぞれ「よーいドン!」で出発する場合の所要時間について調べてみました!

新幹線飛行機
札幌駅0:00 発札幌駅0:00 発
 ↓(JR快速エアポート)
新千歳空港駅0:40 着
0:40 発
 ↓(徒歩)
新千歳空港0:50 着
1:10 発
 ↓(飛行機)
羽田空港2:50 着
3:05 発
 ↓(徒歩)
羽田空港
第1ターミナル
3:15 着
3:25 発
 ↓(東京モノレール)
浜松町3:45 着
3:55 発
 ↓(JR山手線)
東京駅5:01 着東京駅4:02 着

 

ーーすると、飛行機での所要時間は4時間02分!※注

新幹線では5時間01分と計画とされていますので、飛行機の方がちょうど1時間早いことになりますね。

※注:当サイト調べ。飛行機の場合、空港前後の一般的な移動ルートに平均的な所要時間と現実的な乗り換え時間を時刻表をもとにシミュレーションしていますが、実際はこの限りではありません。

新幹線と飛行機が1時間差なら、どっちが便利?
■ 新千歳ー羽田間の飛行機の所要時間は約1時間40分ですが、実際は空港前後の移動時間が意外とかかりますね

東京までの所要時間に1時間の差がある新幹線と飛行機。

少しでも早い方が良いという方は飛行機の方がメリットがありそうですが、実際は空港にはもう少し余裕を持って到着していたいところ。

空港前後の移動も旅慣れていないと効率良く乗り換えするのは難しいですし、乗り換えが多いとストレスや疲労もあり、座っているだけで東京駅まで行ける新幹線は飛行機よりも楽な旅になりそう。

また、東京駅は様々な路線が発着するので、最終目的地へのアクセスにおいても大きなメリットがあるといえそうですね。

将来的には札幌ー東京が4時間半!さらに4時間切りもありえる?!
■ 新幹線で札幌ー東京間が4時間半が実現すると飛行機よりも早くなる場合も

2012年の認可時の資料では札幌ー東京間が5時間01分とされている北海道新幹線ですが、実はその後の2019年のJR北海道の発表によると、最速4時間半へ挑戦するとされています。

これは、貨物列車と共用走行する新青森ー新函館北斗間の問題を解決させること、新函館北斗ー札幌間を計画時の最高時速260kmから時速320kmにさせることで可能とされ、これが実現すると空港までのアクセスを考慮した飛行機の場合と比べても新幹線の方が早くなる可能性もあります。

さらに、最高時速が350kmとなれば4時間切りも可能という研究もあり、札幌ー東京間で航空機の定期便が就航された以来の大変革がもたらされる可能性すらあります。

気になる札幌ー東京の新幹線の料金はいくらになる?!

■ 気になる札幌ー東京間の新幹線料金はいくら?

とても便利になりそうな北海道新幹線ですが、気になるのはやっぱりその料金ですよね。

2012年の認可時の国土交通省による北海道新幹線の収支採算性の資料によれば、札幌ー東京間は片道21,000円※1と査定されていました。

しかし、2016年に先行開業した新函館北斗ー東京間の料金は、同資料で18,280円※2と査定されていましたが開業時の実際の料金は22,690円※3でした。その後2019年に消費税率引き上げに伴う改定があり、現在の正規運賃は23,430円※4になっています。

現在の鉄道路線の札幌ー東京間は札幌から特急を利用し新函館北斗で新幹線に乗り換えて東京に行くルートの運賃が27,760円ですので、札幌から新幹線で直通となればそれ以上になるのは必至で、2万円台後半から3万円超になることも予想されます。

飛行機の早割チケットだと片道20,000円前後が相場で、LCC(格安航空会社)なら1万円を切ることも珍しくないことを考えると、新幹線で早割を利用しても飛行機の方が相当割安になることが考えられます。

※1. 国土交通省鉄道局 収支採算性及び投資効果に関する詳細資料より、運賃12,910円、指定席特急料金(通常期)8,090円 ※2. 同資料より、運賃11,240円、指定席特急料金(通常期)7,040円  ※3. 運賃11,560円、指定席特急料金11,130円 ※4. 運賃12,100円、指定席特急料金11,330円

札幌延伸時の停車駅と各駅の所要時間について

■ 北海道新幹線開業に伴い2016年に誕生した新函館北斗駅

現在は新函館北斗駅までの北海道新幹線ですが、札幌までの延伸では北海道内に7つの新幹線駅が誕生する予定です。

それぞれの駅間の所要時間と距離についてもまとめてみました。

所要時間距離
札幌11:4532.0km
新小樽(仮称)
12:4538.0km
倶知安
16:0054.4km
長万部
11:0033.0km
新八雲(仮称)
17:1554.1km
新函館北斗
11:3035.5km
木古内

上の表は認可時の国土交通省による資料を基にしているため2016年にあったトンネルなどの大きなルート変更は考慮されていない点に注意が必要ですが、新幹線が札幌延伸した際の停車駅間の所要時間の参考になります。

これによると、札幌から新小樽まではわずか12分足らず。スキーリゾート地として人気のニセコエリアにある倶知安も25分足らずで、道内の観光地が今よりぐっと近くなりますね。

さらに、現在は特急北斗で3時間半かかる札幌ー函館間は新幹線になると1時間10分足らず結ばれることになり、函館は旅行はもちろんビジネスでも札幌から日帰り圏内になることになります。

※ 国土交通省鉄道局 収支採算性及び投資効果に関する詳細資料より

あなたなら新幹線と飛行機、どっちを選ぶ?!

■ 皆さんは新幹線と飛行機、どっちを選びますか?

2030年に札幌まで延伸する北海道新幹線。皆さんなら新幹線と飛行機、どちらを選びますか?

実際には、新幹線と飛行機では所要時間だけで比較できないそれぞれのメリットもあります。観光やビジネスなど旅の目的だったり、最終目的地、さらに料金の設定によってもどちらがより魅力的かは変わってきます。

それにしても、札幌ー東京間の移動手段に新しい選択肢が増えるのが待ち遠しいですね!