観光地として有名で人気のある小樽には、小樽唯一の蔵元である「田中酒造」の「亀甲蔵」という少し変わった名前の酒蔵があります。「亀甲蔵」は一年を通して酒造りを行っている全国でもたいへん珍しい酒蔵で、日本酒の製造過程を見学もできます。

店舗には、オリジナルの甘酒やおまんじゅうなど、お土産にはもってこいの商品もいっぱいで、観光地小樽を盛り上げようと、季節ごとにイベントなども開催されています。

小樽唯一の酒蔵「亀甲蔵」は一年を通して酒造り

亀甲蔵日本酒製造見学は楽しさいっぱい！

亀甲蔵は明治時代の建築物で、かつては海産物などを保存していた倉庫だったそうです。1995年に「酒造りをしている姿をたくさんの人に見て欲しい」と、日本酒製造見学もできる全国でも珍しい観光蔵としてオープンしました。また、歴史的建造物としても有名です。

亀甲蔵を面白探検してみよう！

酒造りは普通は寒い冬に仕込みを行いますが、田中酒造の亀甲蔵は北海道の気候を利用し、一年を通して仕込みを行う「四季醸造」です。そのため、亀甲蔵では一年中、酒造りを行っており、いつでも日本酒製造見学が可能。歴史的建造物でもある蔵の中に酒造りの機械が見えて、ちょっとした探検気分になれますよ。

日本酒を造るお米の種類から始まり、麹室やたくさんの貯蔵タンクなど、蔵の見学コースを順番に回ると日本酒がどのように造られているのか、とてもよくわかります。麹造りは午前中に行うので、麹の作業を見学したい場合は午前中に見学に来るのがおすすめだそうです。

大きな窓から、中で行っている酒造りを見学することができます。コースは基本的に自由見学ですが、説明の欲しい方は店舗のスタッフに頼めば、詳しく案内をしてもらえます。田中酒造の社員の皆さんで考えたという、酒造りに関するクイズが壁のあちこちにあります。見学をしながらクイズを解いていくのも楽しいですね。

コースの途中には、このように昔の酒造りに使用されていた「櫂棒」などの道具が置いてあり、歴史の重みを感じます。他にもかつて使用されていた道具がたくさん飾られていました。

見学が終わると、代表銘柄「宝川（たからがわ）」や蔵元限定のお酒の試飲ができます。お酒の飲めない方には、甘酒や黒豆茶なども用意してくれますよ。

一年通しての仕込み「四季醸造」で地酒造り。酒造りにかける情熱！

今回は、特別に製造場の内部を見学させていただきました。通常の見学コースにこちらは入っていませんのでご注意ください。ここでは日本酒を作るための大量のお米を蒸しており、スコップで蒸し米を何度もかき回す作業が印象的でした。

蒸したお米を仕込みタンクに運ぶ作業。杜氏さんは、ひとつひとつの作業に手を抜かず一生懸命です。酒造りに使用されているお米はすべて道産米で、酒にとって重要な仕込みに使う水は小樽の地下水。日本酒にかけるたくさんのこだわりが見えます。

おいしい日本酒を作るために、毎日の作業は途切れることはありません。このように丁寧な工程を経ているからこそ、素晴らしい日本酒ができあがることに感動します。亀甲蔵は、「酒造りを知ってほしい。その姿を見てほしい」という田中酒造の思いが十分伝わる場所であることを確信します。

亀甲蔵店舗には店舗限定の日本酒やオリジナル甘酒も！

亀甲蔵の店舗には、田中酒造のお酒はもちろん、オリジナルの商品がたくさん置いてあります。歴史的建築物でもある蔵は、建物の内部を見ているだけでも楽しくなります。まるで七福神の宝船のようなカウンターがあり、ワクワクしてしまいます。

健康に良くおいしい甘酒がいっぱい！

職員の皆さんで企画開発しているという田中酒造オリジナルの甘酒は、フルーツや野菜をベースにしたものが多く、若い女性や甘酒が苦手なお子さんにも大好評。

こちらは季節のイベントに合わせて開発される限定商品なので、いつでも購入できるわけではありませんが、好評の場合は販売が延長されることもあるそうです。ちなみにバナナ甘酒の人気が高いとのこと。

店舗限定品原酒「亀甲蔵」や懐かしの味「酒まんじゅう」も

こちらは亀甲蔵限定の原酒。その名も「亀甲蔵」です。お土産店にも置いていないそうなので、亀甲蔵の店舗でしか手に入れることはできません。通の方にお勧めの日本酒です。

懐かしい味がする「酒まんじゅう」は酒粕のふわりとした香りにもちもちの皮、さりげない甘さのあんこがとてもおいしい一品で、お土産にも人気のある商品です。

エンターティナー魂あふれる亀甲蔵は小樽の楽しい観光スポット！

小樽という観光地を活かし、エンターティナーとしての酒造りをプロデュースしたいという田中酒造。小樽に来たついでに酒屋を楽しんでほしい。そして酒造りを知ってほしい。その言葉通り、いつ来ても楽しめる場所として小樽の観光地を盛り上げます。

小樽に足を伸ばしたら、ぜひ「田中酒造亀甲蔵」に立ち寄り、日本酒製造見学の趣を感じてみてくださいね。