広い北海道には、地域ごとにたくさんのローカルグルメがあって、どれも絶品ばかり。

その中でも、道東にあるまちの釧路と根室には、「スパカツ」と「エスカロップ」といういずれもカツレツを使った絶品のローカル洋食グルメがあるのを知っていますか?!

北海道の2大ローカル洋食「スパカツ」と「エスカロップ」って知ってる?

道東に行ったら絶対に食べたい絶品ご当地グルメ!

■ 道東への旅行では雰囲気のいい老舗洋食店・喫茶店の絶品ローカル洋食グルメがおすすめ!

北海道グルメといえば、海鮮や農産物はもちろんのこと乳製品やスイーツ、ラーメンやジンギスカンにスープカレーなど様々ですが、道東に観光で行くならハズせない絶品ローカグルメもあるのを知っていますか?!

それが、釧路の「スパカツ」と根室の「エスカロップ」で、いずれもポークカツレツ(とんかつ)を使った絶品のご当地グルメ。

その地域の人たちには昔から親しまれていたローカルグルメですが、最近では全国的に話題になることも多くなってきたので、「聞いたことある!」という方も多いかも。

釧路名物「スパカツ」とは?!
■ アツアツの鉄板に盛られた釧路名物のスパカツ

『スパカツ』とは、アツアツの鉄板に盛られたミートソーススパゲッティの上に“ポークカツレツ(とんかつ)”が乗せられた釧路のソウルフード!

釧路市の老舗洋食店「レストラン泉屋」が発祥で、ボリューム満点でわんぱくなローカルグルメとして知られています。

釧路では昔から広く親しまれていますが、最近では札幌をはじめ道内各地で提供するお店も増えています。

レストラン泉屋 総本店
■ スパカツを食べるならがスパカツ発祥の老舗の洋食店「泉屋」がおすすめ!

釧路でスパカツを食べるなら、スパカツ発祥の店として知られる『レストラン泉屋 総本店』がおすすめ!

昭和34年(1959年)創業の庶民的な老舗洋食店で、最後まで温かく食べてもらおうとスパゲティを鉄皿で提供する中、ミートソーススパゲティにカツを乗せたミートソースポークカツレツを考案し、いつしか「スパカツ」の愛称で親しまれる看板メニューに。

■ これが元祖の味!ボリューム満点の泉屋のスパカツ ※写真はイオン釧路店

濃厚なミートソースはゴロっとしてジューシーなひき肉の食感も楽しめるちょっと懐かしい感じで、カツとの相性もバッチリ!

太めの麺はもっちりと食べ応えがあってボリューム満点!下の方の麺はカリカリとした食感になり、これもまた食欲をそそります。

市内中心部にある総本店のほか、市内にイオン釧路店、ソロ鳥取の3店舗があります。

釧路市末広町2丁目2−28
  1. 営業時間 : 11:00 - 21:30(L.O.21:00)
  2. 住所 : 釧路市末広町2丁目2−28
  3. 駐車場:なし(2,000円以上で近隣提携駐車場のサービス券100円分の発行あり)
根室名物「エスカロップ」とは?!
■ カツレツが乗ったピラフとサラダがワンプレートに盛られた根室名物のエスカロップ

『エスカロップ』とは、バターピラフの上に“ポークカツレツ(とんかつ)”を乗せ、ドミグラスソースをかけて食べられる根室のソウルフード!

昭和38年(1963年)に根室にあった喫茶店「モンブラン」が発祥で、元々は地元の漁師さんが手早くお腹を満たせるようにと考案されたそう。

その後は市内の喫茶店やレストランに広まり「エスカ」の通称で親しまれてきましたが、ちょっと前までは根室以外では北海道民でも知らない人も多かった、知る人ぞ知る絶品のローカルグルメです。

喫茶 どりあん
■ エスカロップを食べるなら根室の老舗喫茶店「どりあん」がおすすめ!

根室でエスカロップを食べるなら、『喫茶 どりあん』がおすすめ!

エスカロップ発祥で昭和40年(1965年)に閉店した「モンブラン」を受け継ぐ「ニューモンブラン」にて修行をしていた店主が独立して昭和44年(1969年)に創業した、いわば直系のお店。

■ 食欲をそそるワンプレートにまとまったエスカロップと奥はオリエンタルライス

サクッと揚がったカツレツの衣に特製のドミグラスソースが染み込み、タケノコの細切りが入ってバターが香るピラフと一緒に口に入れるとフワーっと旨みが広がる絶品!

ちょっぴりレトロで落ち着きのある店内は居心地がよく、ビーフシチューやハンバーグなど他の洋食メニューも豊富。

もしもう一品食べるなら、ドライカレーにドミグラスソース仕立てのハラミ肉が乗ったオリジナルメニューのオリエンタルライスもおすすめ。

根室市常盤町2丁目9番地
  1. 営業時間 : 10:00 - 21:00(L.O.20:40)
  2. 住所 : 根室市常盤町2丁目9番地
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各地にあるローカル洋食には不思議な共通点も!

■ 釧路の「エスカロップ」によく似た長崎名物の「トルコライス」ナポリタンの付け合わせがある点が違います

道東のまちで親しまれてきた「スパカツ」と「エスカロップ」ですが、全国には様々なローカル洋食があり、それぞれには不思議な共通点があります。

「エスカロップ」が根室のモンブランで考案されメニューに加わったのは昭和38年(1963年)ですが、その起源はかつて東京新橋にあったグリル明治というお店で出されていた「エスカロッピニー」にあり、これはナポリンタンスパゲティの上にカツレツが乗せられたメニューで昭和31年(1956年)には既に存在していたようです。

スパゲティの上にカツレツが乗せられたメニューといえば、昭和35年(1960年)に釧路の泉屋で考案された「スパカツ」によく似ていますが、ナポリタンとミートソースの違いがあります。

■ 全国にあるローカル洋食と共通点も多いエスカロップ(※写真は根室にあるレストランレイクサンセットのもの)

グリル明治の「エスカロッピニー」はやがてスパゲティがケチャップライスやバターライスへと変化し「ピニーライス」とも呼ばれるようになり、グリル明治に勤めていた経験があるシェフの古村氏が根室市に持ち込み、独自に進化し根付いたものが「エスカロップ」です。

そんな「エスカロップ」の原型となった「ピニーライス」によく似たものが関西・京都にもあり、チャーハンの上にカツレツを乗せドミグラスソースやカレーがかかった「ピネライス」と呼ばれるもので、1975年(昭和45年)に考案された京都のB級グルメとして知られています。

さらに、ピラフとナポリタンとカツレツという組み合わせでは、長崎のB級グルメ「トルコライス」というのも有名で、こちらは諸説ありますが1950年代に考案されたといわれています。

いずれもカツレツを乗せたピラフやスパゲティ、そしてドミグラスソースを用いるという共通点があり、不思議なことにほぼ同時期に考案されています。

全国のローカル洋食を探してみると、もっと面白い共通点を見つけることができるかもしれませんね!