世界ジオパークは、地球の長い歴史の中で変動してきた大地や自然について、観光を通して楽しみながら学ぶことができる、世界遺産でも知られるユネスコによって認定されている大地の公園。
『洞爺湖有珠山ジオパーク』は、日本に9ヶ所あるユネスコ世界ジオパークのひとつで、日本で最初に認定されたジオパークです。
テーマは「火山との共生」洞爺湖有珠山ジオパークまとめ!
洞爺湖有珠山ジオパークとは?その見どころを解説!
『洞爺湖有珠山ジオパーク』は、北海道の南西部に位置する洞爺湖と有珠山を中心に、約1,064km2の面積の太平洋に面した自然公園で、その一部は支笏洞爺国立公園とも重なっています。
2009年に新潟県糸魚川・長崎県島原半島とともに日本で最初の世界ジオパークに認定されました。
北海道らしい壮大なパノラマの絶景と、温泉やおいしい食事を楽しむことができる、観光旅行におすすめユネスコ世界ジオパークです!
<洞爺湖有珠山ジオパークの概要>
- テーマ:火山との共生
- 沿革:2008年12月 日本ジオパーク加盟認定、2009年8月 世界ジオパーク加盟認定
- 地域:伊達市、豊浦町、壮瞥町、洞爺湖町
カルデラ湖・洞爺湖と活火山の有珠山
洞爺湖有珠山ジオパークのテーマは「火山との共生」。
いまから約11万年前の巨大噴火でできた窪地に水が貯まってできた洞爺湖は、日本で3番目の大きさを誇るカルデラ湖です。
湖の周辺はいまなお活発な火山活動が続いていて、すぐ南には常時観測対象でこれまで20〜30年周期で噴火を繰り返し直近では2000年(平成12年)にマグマ水蒸気爆発による噴火があった活火山の有珠山があります。
地球規模の大変動で生まれたダイナミックな景観は、洞爺湖有珠山ジオパークの最大の見所といえます。
有珠山2000年噴火と大地の変動
湖のすぐ南にある常時観測対象で活火山の有珠山は、これまで20〜30年周期で噴火を繰り返しており、直近では2000年(平成12年)にマグマ水蒸気爆発による噴火がありました。
この時の噴火活動で熱泥流が流れ込んだ公共住宅や階段状に隆起した道路は当時のまま保存されていて、その様子は散策路から観察できるように整備されています。
平衡感覚が取れなくなるほど歪んだ道路や建物の様子は、火山活動による大地の変動を感じることができる洞爺湖有珠山ジオパークの見所のひとつになっています。
温泉・食・絶景を楽しみながら地球の歴史を学べるジオパーク!
これほど頻繁に噴火が起きる地域で、人々が火山と共に暮らし続けているのには理由があります。
火山活動によってできた洞爺湖周辺の大地は、火山灰と軽石でできた水はけが良くミネラル豊富で農作物の栽培が盛んです。海まで達した有珠山の山崩れは入り組んだ噴火湾の海岸を形成し、豊かな漁場となりました。
そして、洞爺湖の湖畔には有珠山の恩恵を受ける温泉街が広がり、今では多くの観光客で賑わうようになりました。
壮大な景観を楽しみながら温泉に浸かり、おいしい地元食材を味わうこともできる洞爺湖。
まさに地球規模の大地の変動を全身で体感することができるジオパークといえますね!
「洞爺湖有珠山ジオパーク」への行き方は?
洞爺湖有珠山ジオパークは東京23区の1.5倍以上と広大なので、アクセスにはエリア内の移動に便利な車・レンタカーの利用がおすすめです!
ジオパークの散策の拠点となる「洞爺湖温泉」へのアクセスは、
- [車]札幌中心部から、国道230号で中山峠を経由して、102km, 約2時間
- [車]新千歳空港から、道道16号から国道453号で支笏湖を経由して、99km, 約2時間
北海道にあるもう1つの世界ジオパークと6つの日本ジオパーク
北海道では、今回ご紹介した『洞爺湖有珠山ジオパーク』のほかにも様似町の『アポイ岳ジオパーク』がユネスコ世界ジオパークに認定されています。さらに、北海道にはその2ヶ所を含む計6ヶ所が日本ジオパークとしてされています。
- 洞爺湖有珠山ジオパーク※(伊達市・豊浦町・壮瞥町・洞爺湖町)
- アポイ岳ジオパーク※(様似町)
- 白滝ジオパーク(遠軽町)
- 三笠ジオパーク(三笠市)
- とかち鹿追ジオパーク(鹿追町)
- 十勝岳ジオパーク(美瑛町・上富良野町)
※はユネスコ世界ジオパーク加盟認定
日本ジオパークとは、日本ジオパーク委員会(JGC)の認定を受けた国内版のジオパークで、ユネスコ世界ジオパークに認定されているジオパークも含まれます。
いずれのジオパークも、地球規模の価値のある地質遺産を学びながら観光を楽しめますのでおすすめですよ!