7月6日〜8月2日まで、札幌の街がクラシックで溢れる夏がやってきます。

20世紀を代表する名指揮者、レナード・バーンスタインの提唱により始まったPMFは、北海道札幌市で毎年夏に開催される世界三大教育音楽祭のひとつ。

Kitaraやhitaru、芸術の森をはじめ、商業ビルのオープンスペースでは無料のコンサートも開催されます。ぜひ、クラシックの魅了を感じてみませんか?

街がクラシックで溢れる1ヶ月、札幌が世界に誇る音楽祭。

PMF – パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌とは

パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)は、北海道札幌市で毎年夏に開催される教育音楽祭。アメリカの「タングルウッド音楽祭」、ドイツの「シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭」とともに、世界三大教育音楽祭のひとつに数えられています。

オーディションにより選考された世界中の若手音楽家が、教授として迎えられる世界一流の音楽家の指導を受け、その成果はコンサートで披露されます。

同時に、教授陣である世界一流の音楽家による演奏も、札幌の街で聴くこともできるんです!

2019年の開催スケジュールについて

■PMFの会期中、多くのコンサートが開催されアカデミー生のメイン練習会場でもあるコンサートホールKitaraは、PMFの提唱者バーンスタインが見つめる先にある。

2019年の開催日程は、7月6日から8月2日まで。

7月4日にはKitaraでプレ公演が行われ、6日にオープニングコンサートが芸術の森・野外ステージで開催されます。

会期中は市内いたるところでコンサートが開催されます。

出演するのはアカデミー生はもちろん、かつてアカデミー生としてPMFで学び修了した音楽家、開催ホストである札幌のオーケストラ・札幌交響楽団、そして世界一流の音楽家であるPMF教授陣です。

7月31日、世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフのもとアカデミー生で構成されるPMFオーケストラはその集大成をKitaraで発表し、翌8月1日にはサントリーホールで東京公演、翌8月2日にはミューザ川崎シンフォニーホールで川崎公演を行いフィナーレを迎えます。

PMF2019のおすすめ&注目のプログラムは?

7月10日(水) PMFウィーン演奏会 – 札幌コンサートホールKitara(小ホール)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーたちで構成されるPMFウィーンによる室内楽、弦楽四重奏のコンサート。

メンバーにはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを2016年の定年まで務めていたライナー・キュッヒルが参加します。2017年には日本を代表する世界屈指のオーケストラ、NHK交響楽団のゲスト・コンサートマスターに就任しています。

そして、氏が使用している楽器は1725年製ストラディヴァリウス!

曲目はハイドン、ベートーヴェン弦四第16番、ドヴォルザーク弦四第8番と古典〜ロマン派までの幅広い年代の名曲ばかりですね。

7月11日(木),12日(金) PMFベルリン演奏会 – 札幌コンサートホール Kitara(小ホール)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーたちで構成されるPMFウィーンによる室内楽。

あのベルフィルメンバーによる室内楽を札幌で聴くことができるなんて!

演奏曲目はまだ未定ですが、木管・金管楽器によるアンサンブルとなりそうですね。

メンバーには2014年までベルフィで首席フルート奏者を務めたアンドレアス・ブラウが登場します。

7月13日(土) ピクニック・コンサート – 札幌芸術の森・野外ステージ
■オープニング・コンサートやピクニック・コンサートが開催される芸術の森・野外ステージ

PMFといえばピクニックコンサートといえるほど人気のプログラム!

札幌芸術の森の野外ステージで行われるこのコンサートは、これまでにも多くの名演が繰り広げられてきました。

クラシックのコンサートはちょっと硬いイメージがあるかもしれませんが、ピクニックコンサートはきっと気軽に楽しめるはず!

野外ステージのある広い芝生の上でレジャーシートを敷いて、お弁当を食べながら楽しんだってOK!フードやドリンクの屋台も出ますよ。

7月20日(土),21日(日) PMFプレミアム・コンサート – 札幌コンサートホールKitara

PMFが30年を迎える今年、プレミアムコンサートと銘打って91年と93〜98年に第3代PMF芸術監督を務めた名匠クリストフ・エッシェンバッハがカムバック!

しかも曲目は、マーラーの大曲、交響曲第8番、通称「千人の交響曲」です。

これは驚きですね、指揮にエッシェンバッハを迎え、まさかPMFで演奏されるとは!

大編成が必要となるこの大曲。

アメリカのメジャーオーケストラで活躍しPMFで教授を務める音楽家で構成される「PMFアメリカ」、そして過去PMFで学んだ「PMF修了生」、さらにアカデミー生で構成される「PMFオーケストラ」の特別編成のオーケストラに加え、PMFプレミアム合唱団、HBC少年少女合唱団で挑みます。

世界一とも評されるほど音響の優れるKitara大ホールに、迫力満点、大音量のマーラーがどのように響くのか?!ワクワクしますね!

7月28日(日) PMF hitaru スペシャル・コンサート – 札幌文化芸術劇場 hitaru

PMF、はじめてのhitaruでのコンサートです。

札幌の街に新しく誕まれたホール「札幌文化芸術劇場 hitaru」、ここはバレエやオペラなど舞台芸術の公演も可能なオーケストラピットもある本格的な劇場で、3層バルコニーの客席はKitaraを超える2,300の座席数を誇ります。

ここで演奏されるのはクリスチャン・ナップ指揮、PMFアメリカとPMFオーケストラによるドヴォルザーク交響曲第8番。

7月31日(水) PMFオーケストラ演奏会 – 札幌コンサートホール Kitara

PMFのフィナーレ、いよいよPMFアカデミー生の集大成を迎えるKitaraの公演。PMF会期中、最後の札幌公演でもあります。

満を持して登場するのは巨匠、ワレリー・ゲルギエフ。

PMF2019では芸術監督を務めています。

曲目は、第16回チャイコフスキーコンクール木管部門優勝者をソリストに迎えドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」が予定されている他、ショスタコーヴィチ「交響曲第4番」が演奏されるようです。

ショスタコ4番!!

この超難曲がどのように仕上げられるか?!ハラハラドキドキの待ち遠しいプログラムです!

チケットの入手方法について

PMFのチケットは、Kitaraチケットセンターや道新プレイガイド、札幌市民交流プラザチケットセンターなどで購入できるほか、チケットぴあなどWebでも購入することが可能です。

現在の席の空き状況なども確認できますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

「PMF」で検索すると、すぐに確認ができますよ。


チケットぴあ

市民へ音楽の素晴らしさを伝える普及イベント


クラシックというと、肩苦しく、退屈で、つまらないなんて偏見を持っていませんか?

本当は、もっと気を抜いて楽しむことができる音楽です。PMFでは、アカデミー生への教育、ホールでのコンサート以外にも、その魅力を伝えてくれるイベントも多く開催しています。

  • PMF×さっぽろ地下街 PMFオーロラプラザ・コンサート
  • PMFアカプラ・コンサート
  • PMFもいわ山コンサート
  • PMF「赤れんが テラス」コンサート

など、商店街や商業施設でミニコンサートも開催されます。いずれも無料で観覧できますので、気軽に立ち寄ってみては?

演奏はPMF修了生やPMFメンバーによるものなので、素晴らしい演奏を楽しむことができるはずですよ。

PMFを、もっと深く知る

PMFは、次世代の音楽家を育てることを目的に創設された教育音楽祭です。

世界一流の音楽家たちによるが教授陣として、音楽的感性、技術の指導を受け世界中からオーディションにより選考された若い才能が集まります。

アメリカの「タングルウッド音楽祭」、ドイツの「シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭」とともに、世界三大教育音楽祭のひとつに数えられるようになったPMFの創設には、ある偉大な指揮者の存在がありました。

PMFの始まり、受け継がれる想い

■Leonard Bernstein / レナード・バーンスタイン 20世紀後半のクラシック音楽界を代表する指揮者であり作曲家。PMFの提唱者となった。

20世紀を代表する名指揮者、レナード・バーンスタイン。

同時代のヘルベルト・フォン・カラヤンと並び、人気を二分した名指揮者でした。

人間味あふれるその人柄、破天荒なところもあったようですが、エネルギッシュで誰からも愛される存在・・・多くの人で構成されるオーケストラからの信頼も厚かったようです。

そんなバーンスタインは、優れた教育者でもありました。

世界的な指揮者である小澤征爾、佐渡裕など多くの音楽家を育てました。

そして晩年、自らの経験から若い才能へ優れた音楽教育の機会をアジアでも作りたい、という想いから教育音楽祭が札幌で創設されることになったのです。

このとき、バーンスタインは肺がんに冒されていました。

神さまが与えて下さった残りの時間を、一番最初に愛したピアノに立ち返り、ベートーベンのソナタ全曲を演奏すべきものなのか。あるいは指揮者としての活動に専念し、ブラームスの交響曲全曲を演奏し続けるべきか。それとも作曲家としての活動に専念し、様々な曲を作るべきなのか。
71歳にもなれば、そのような問題について考えるものです。そして、それほど迷うことなく、このような結論に達したのです。残ったエネルギーと神が与えたもうた時間を教育に捧げ、私の知っていることすべて、分かち合えるものは何でも、多くの若い世代、そのなかでも特に若い人たちと分かち合うべきだと。音楽についてだけでなく、芸術についても、そして芸術についてだけではなく、芸術と人生の関係についても。さらに自分らしくあることについて、真の自分を知ること、「自分が何であるかを知ること」、そして最善をつくすことについても。
このようなことについて、出来るだけ多くの人々に伝えることができるなら、私はとても幸せです。
そしてパシフィック・ミュージック・フェスティバルこそ、私の残された人生を捧げるべき献身と情熱の対象なのです。

PMF1990開会式での挨拶から

1990年に第1回のPMFが開催され来札したときには、バーンスタインに残された時間は本当にわずかでした。会期中のおよそ20日間は、病身を顧みずアカデミー生に渾身の指導をしたそうです。そして、PMFを大成功に導き閉幕からわずか3ヶ月後、ニューヨーク市内の自宅でその生涯を閉じたのです。

バーンスタインの想いは今も受け継がれ、PMFではこれまでに多くの音楽家を輩出してきました。

そして、私たちが優れた音楽に触れる機会を与えてくれることにつながっているのです。